結城佑莉

B612 – 結城佑莉

雨に咲いて 風に枯れた
あの花こそ 僕等を喩うだろう

嗚呼、くだらないぜ
君が君を騙しても
決して 僕は騙せやしないから

鮮やかなその記憶の大抵は
少し毒があるのだ

半端に吹く風に欠伸する君は
セピアの蛇が棲む

僕等の日々は星屑だった
離れるほど鮮烈になった
幾重も折り重なる雲の様に
何かを隠している

知らないでいて
君が願うなら この夜空は
太陽も照らすこと
雨に咲いて
風邪を引いたあの花を
きっと 僕等は忘れもしないだろう

だからB612 この街では
君の声を隠すように雨が降る

いまは見えない
星屑のひとつから
この目 塞いでも
そこにあることを知る

嗚呼、くだらないぜ
初めから持っていないのに
何故 欠けてゆくのだろう
雨に咲いて 風に枯れた
あの、あの一輪の花を

空を抱いて 凍えていく
その歩幅を愛しく思うから
嗚呼、知らないでいて
君がそれを望むなら
全て君のものだろう

だからB612 この街では
君の声を隠すように雨が降る

人気の新着歌詞

渦 – 結城佑莉

午前八時 環状線を少し外れ逃避行同じことさ あなたがいないだけ紅色の宝石 塵になった成層圏目を廻してわたしは渦のなか手を伸べる まだ遠くて 阿呆に見えるあなただ

いつか花になる – 結城佑莉

ひとつだけ 君にだけ伝えたいことがあるひとつだけ 君にだけ伝えたいことがあるそのために 僕は言葉を尽くすだろう間違いも 正解もいつか花になるのだろうだからいまあ

浮かぶように – 結城佑莉

巡り合い 相対したが運の尽き口を開けば綺麗事の君が言う雲に描いたみたいな 未来さえいつか本当に浮かぶようにひとつも間違っちゃいないなんかそんな気がしている大した

ごくらくとんぼ – 結城佑莉

しばらく続いた雨が止んだ知らないうちに紫陽花がぜんぶ落ちたあたし少し悲しくなりましたがあなたと別々になる時もたぶんこんな感じなのかもしれないなそんなことをふと思

ライカ – 結城佑莉

思い出すのはいつも濁った笑顔ばかり強がりは強さだと言っていたな颯爽と船に乗り込んだあなたは宇宙へと旅立ちました電波塔の影に乗りあなたに繋いでみえた言葉の奥の奥の

スイートピー – 結城佑莉

たぶん何処かで出会っていたんだろうそのくらい嫌に腑に落ちる夏グラスはとうに 水滴を帯びて誰よりも先に汗をかいているでもあなたも負けてない夏になると焦って路傍に咲

春海月 – 結城佑莉

ふわり この瞬間を時間さえも抜け出してただ美しく揺蕩うだろうそして あの約束を思い出すのも忘れて海月みたいな雲みたいだな僕も、あなたも水平線に連れて行って霞がか

虎 – 結城佑莉

どうか目を塞いで明日になるまであなたと異なることがこんなに痛むとは知らなかったんだ天上の北極星幽かに煌めいていずれ消えゆく言葉と露に濡れた真白な体を持て余したま

爪痕 – 結城佑莉

ひとつ、理由があるならふたつ、同じ形の爪痕使い古しの言葉で何か確かめあっていた酷く荒んだ廃墟をふたりただただ転がり回った夜虫は季節さえ知らず飛んでいた知らなけれ

蛇 – 結城佑莉

雨音 正午 目を覚ました鼠這うような衣擦れ明かりひとつ消したってさ何にも見えやしないさ僕らはみな一匹ずつ体に蛇を飼っているその色を 艶やかな鱗を君が殺してよ 殺

Back to top button