石橋正次

夜霧 – 石橋正次

夜霧にうばわれた 男のこころ
いまさら愛の 世界にもどれない
つめたい仮面に なみだをかくして
孤独な俺は どこへ どこへ…
明日になにがある

灯りがまたひとつ ちまたから消えて
かなしい影を ひとりでだきしめる
死ぬほどいとしい お前を泣かせて
むなしい俺は どこへ どこへ…
明日になにがある

夜霧にこぼれる ミモザの花びら
ふみしめ俺は どこへ どこへ…
明日になにがある

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鉄橋をわたると涙がはじまる – 石橋正次

鉄橋をわたると 君の家が見える汽車からとびおり もいちど逢いたい若いふたり つらいふたりむすばれぬ恋に君をすてて 愛をすててふるさとをすてる鉄橋をわたると 君の

夜明けの停車場 – 石橋正次

夜明けの停車場に ふる雨はつめたい涙をかみしめて さよなら告げるきらいでもないのに なぜか別れたくないのに なぜかひとりで旅に出る 俺は悪い奴だからぬれていない

雪国へおいで – 石橋正次

雪国へ たずねておいでいますぐに 汽車にのり夜明けには 逢えるのさ遠い遠い遠い遠い遠い ふたりじゃないつめたいつららの 格子窓樹氷の鈴をききながら恋の牢屋に と

千住大橋 – 石橋正次

安い貸間の貼り紙をさがして歩いたあの頃はお前とお茶を飲むたびにマッチの箱が増えてった街も賑わう年の春着たきり雀のジーパンはいて千住大橋たたずめば頬にポツンと小雪

妹とふたり – 石橋正次

雨だれが 軒端をつたう妹は 傍らで眠る坐蒲団を 二つに折って泣きはれた 瞼が赤い母は何所(いずこ)に 居るのやらはぐれて十日目 夜も更ける春よ来るなら 早く来い

雨あがりの出発 – 石橋正次

この雨があがればすぐ 俺は旅に出る泣きふしたお前を ひとり残してまだ町は眠りのなか 人は夢のなか傷ついたふたりを 知らないで若い若い出発(たびだち)の 季節は今

帰れない旅 – 石橋正次

落葉をまきあげて汽車は 俺のふるさとへひとりぽっちの夕陽に 消えてゆく急行列車もとまらない ちいさな町だけど恋の願いは おおきくなるばかり帰りたくても 帰れない

今日という日を – 石橋正次

あとからどんな くるしみをうけても二人は 後悔しない時間を消して 瞳(め)をとじていまこそ愛の 何かを見よう恋はくせもの なやみつづけて傷つけあうより もっとも

顔に朝日がじゃまくさい – 石橋正次

港においらのこして あの娘がきえた夜明け歌を歌っても口笛吹いても どうしても淋しいんだ心がわりも知らずに 命を賭けてもえたあのときめきが きえないきえないとって

歩道橋 – 石橋正次

午前五時過ぎたのに暗い どしゃぶりの歩道橋ほそい肩ふるわせてひとり 君が駅へいそぐ愛してるそのくせに 愛が云えなくてつかまえることさえも 夢のなかかバカな バカ

夜明けの街 – 石橋正次

夜空にきらめく 小さな星でさえなにかのはずみで 流れるときもある気ままに燃えて 別れたふたりあいつもむじゃきな 奴だけどきっと散らずに 待っててくれるさおれは信

お嫁にもらおう – 石橋正次

朝にしようか 夜にしようか君を迎えに 行く時は薔薇にしようか 百合にしようか君に捧げる 花束は一年前は 知らないどうし半年前は 友達どうしひと月前は 恋人どうし

あしたの俺は… – 石橋正次

生まれた時から ひとり者親の顔さえ 知らねえさ天涯孤独の この俺にゃ冷たい世間が 友だちさこぼれる涙が 恋人さ何処へ行っても 何処へ行ってもついてくる四角四面の

朝霧の晴れるまえに – 石橋正次

朝霧につつまれて このまま眠りたいゆるされぬふたりには それがいちばんさもっとおよりよ 草のしとねはさむいからせめてつめたくなるまえに 君をこがしたいもっとおよ

俺たちは明日 – 石橋正次

俺は思うのだけれどお前と俺の 生きざまを男と男の貧乏所帯一つ屋根で 暮らしてる二人でラーメン すする時冷たい水を さしだすお前そんなさりげない お前がいい俺とお

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