南正人

家へ帰ろう – 南正人

ぼくを追い抜いてゆくのは
淋しそおな 後姿ばかり、
乾いた笑ひ……
すすりなき……
長ひひにちは こおして終わる
夕闇はいつも 背後から
ひとを追ひやるよふに
やって来る

街の光が遠ぉーざかる
最終バスで
揺られて帰ろう
可愛いいあいつや
みんなのまってる
TO.KO.RO―――

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紫陽花 – 南正人

ふりむいた あなたの背中になつのごごの ひざしがまぶしすぎてまるで わたしをさそひこんでいるようだじぶんでも はかりしれなひこの胸の くらがりをあなたは 歩ひて

五月の雨 – 南正人

そらのかけらを とびこしていつものまちかどへごがつのあめの わすれものあおいみずたまりおちたにじのかげはかぜにゆられ ゆららああのひとのまつ まちかどへらららら

午前4時10分前 – 南正人

あいつのことなどもういい 忘れたよォ想ってみたからって帰るわけじゃないしィ慣れれば平気さァよくあることさァだけどォ やっぱりひとりの夜は淋しいよォ嘘の恋でもいい

愛の吹きだまり – 南正人

ひとりぼっちオレンジ色した夜の窓辺ガラスのむこうにひとりぼっち白い粉雪いつまでも少しも濡れないつもらない粉雪ガラスのむこうのうつろな瞳涙ににじんだわたしのこころ

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