中村萌子
月光の薔薇 – 中村萌子
なにもない空に
月だけが満ちる
覚めて尚 人は
夢ばかり見たがる
さみしいと
知りながら
心を預ければ
抱きしめてるのに
抱きしめきれない
ふれるほど愛は
まぼろし
魂のせいで
いつも血が 流れる
抱きしめあうのに
抱きしめきれない
許された愛も
まぼろし
幸せの果ては
どこまでも迷路
つかのまの光
見つけても彷徨う
咲きながら
枯れてゆく
命は
ただ薔薇のように
なにもない空に
月だけが満ちる
覚めて尚 人は
夢ばかり見たがる
さみしいと
知りながら
心を預ければ
抱きしめてるのに
抱きしめきれない
ふれるほど愛は
まぼろし
魂のせいで
いつも血が 流れる
抱きしめあうのに
抱きしめきれない
許された愛も
まぼろし
幸せの果ては
どこまでも迷路
つかのまの光
見つけても彷徨う
咲きながら
枯れてゆく
命は
ただ薔薇のように
のびた人影(かげ)を 舖道に並べ夕闇のなかをキミと歩いてる手を繋いでいつまでもずっとそばにいれたなら泣けちゃうくらい風が冷たくなって冬の匂いがしたそろそろこの街
いつか読んだ絵本どこへ置いてきたのあの日見てた夢は終わらないと信じてたみんな大人になる時は止められない眠り続けるのは思い出ばかりねだけど魔法はきっといまもかなら
なぜ 輝きを残して消えてゆく星なぜ 思い出のように遠いあの夜空(そら)心にだけ あたたかいまままだ時計は止まらないその先に 見えるのは…Ah…Ah鏡の向こうへ行
季節を招きながら街を変える日射し神様の筆先に新しい彩り見えるものすべて息をしてるどうして君がここにいるのかきっと心は知っているから夢の先にはまた 次の一日が来る
いま あなたは いまどんな夢を見てるのあの星を招く瞳はほら未来を変えるまだ 心は まだきっと探しているわいつどこで時が生まれてその答えがどこにあるかこの夜空が
アリスはどこへ行ったの?シンデレラは幸せになれたの?誰も物語の続きを知らない目を閉じて 見えるもの眠れない夜の 深いところでふと思い出すときめきの 隠し場所そこ
どこにも天使はいないと気づいたあの日蛇が寄越した林檎を口につけたわたぶんいけないことにも真実(こたえ)はあるのそれが心を惑わす夢だとしてもなにもいらなくなる見え
いまはないのにいつかそこに咲く花があると光が告げるなにも見えない闇の中でさえ声はいつも誰かとふれあう心はただくりかえすだけ時を刻みながらそれは私のきっと証と信じ
森へ続く道 誘う闇終わりへと広がる世界大人の言うことに 耳塞いで小さな靴を捨てる眠る木の実 七色の落葉時の滴 tu tu…それはどこかに忘れたままで願いが叶う朝