VALSHE
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ギュゲスの指輪 – VALSHE
誰もいなくなる透明な噺床に吊るされる想像の噺 顔が見えない目は届かない名のなき罪は嵩む また一人愚か者が指輪を填めたか 正義の下槌を落とし何を傷つけたのか気付きもせず無邪気な瞳が私に微笑む こんな時代に生まれさえしなければそんな戯言 聞きたくはない聞きたくはない 終わりにしようそのほうがいいもう何も交わせない この先は行き止まりとわかっているから 正義の下槌を落としおまえが殺したのは二度ともとに戻…
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ライトトラップ – VALSHE
茹る夜に泥を這い出した虫達は今日も喧しい暗がりで生きる そのくせにあれは好きと 君ら灯へ向かう ブラックライト照らすステージで出会いは魅惑 踊れば歓声「君に決めた」 たぎる収集家汗と蜜で濡れた網を振り下ろした ーねえ ねえー「その姿綺麗だね こちら側へ君を迎えよう」 ーきて きてー「僕ならば できるから 僕だけが」 飛んで火に入る ーstupidーああどこでも信じりゃ楽園か針で刺され 嘘だ嘘だと喚…
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Utopia – VALSHE
言葉には気をつけてなきゃ全てが嘘に書き換えられて広がるのパンデミックyou know why me? 行いには気をつけてなきゃ事実はいつも都合良い真実に変わるバッドギミックwhy trust the fake truth? Uh 愛愛 そりゃ「無い無い」気づきゃ最低限すりゃ最大限へ「はいはい」此処でバイバイしようぜLet’s dance 気が済むまで さあ さあ叫べ獣のよに生かすも殺す…
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True meaning of… – VALSHE
おとぎの国を逃げ出してきた夢から覚めたこどもたちへおとなになったあなたに読む慟哭を知る者達の饗宴 手足が僅か動く程度さあ羽ばたけと檻に放つ勘違いをされがちだろうが可動域は0に等しい 寵愛に歪つな代償 そうまでして夢を見たが出て行くなら死んでしまえとその羽をもいだ さながら不快なシンデレラストーリーこころざし半ばと叫ぶ彼らはニヤつきながらページを破いて失敗は無かった 無かった嘲笑っているのです 悲し…
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Ctrl+Q – VALSHE
向けられた露骨な悪意でさえ他人事のような事象に思える満足したかなあひと知れず吹く風に混ざる鼻歌(うた)家に早く帰らなきゃ 信用ってナイフ突きつけて脅し合う世界が大嫌い この痛みは繊細に描写する画面がまた滲んだそうして変形した化け物(感情)に知らない誰かが涙を流したりするの 排除したいだけど群れてはいたい咎めたい熱意も正義もありはしない昨日は当事者で今日は傍観者Aとして振る舞うだけ悲しいけど変わらな…
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Dullahan – VALSHE
何処からか また声が聞こえる厭に近く それでいて遠い綺羅(ぎら)つき濁り 滅裂な豪気 朽ちかけた体躯(からだ)と 傲然(ごうぜん)な頭は現(げ)に滑稽なほど 頑とし決して融和しない頸に纏わり付く 陰鬱な瘴気は主を持て囃し 顎(くち)を開かせ行先(みち)を乞う “栄華を誇ったあの時代は再び此処に訪れる”情熱と希望を嘯(うそぶ)いた ――然程(さほど)由(よし)は――無い 嗚呼 体躯が不正(いびつ)に…
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全心整形 – VALSHE
端からおかしいと思ったのですそれでも惹かれていったのです3000フィートも落ち込んだ自己肯定妙に急いていてされるがまま固い握手を交わしました破滅のような救いのような未知の感覚に呆けるだけでした その数日後ガランドのようなあの廃ビルへと帰ったのです居場所と呼べるようなところは他になかったのです大人たちはふいにこう持ち掛けました「筋はいいが見栄えが悪いなどうだ一度だけ預けてはみないか」 次の瞬間おもむ…
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John Doe – VALSHE
この週末はスキャンダラスに濡れたメロウな夜になるだろう粗末なものさ 他人の命日なんざいちいち覚えちゃいない おまえは嘘が下手あと一歩を踏みとどまる善人かそれともただの臆病者か Who are you? – I’m John Doe路地裏で拾った10ドル俺の命の値段だDo you remember trampled small bug何様に祈ろうか秘めた事情を 今夜は誰に成り…
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MORAL LICENCING – VALSHE
ろくでもない妄想 公衆便所に吐いてまたやっちゃったって陶酔が埋めるそれを許容してよ 三者三様の症状我慢してよねえ? 自由で奔放な世間のニーズが胸の焦燥とリンクして融けた注いだぶんだけの反動で水は溢れていく 気まぐれな親切 口出ししないでその汚れた手じゃ繋げない「アタシ あんたのこと 大嫌い」 牙を剥き噛みつけ 許さなくていい抑え付けられていた衝動で無抵抗だった過去に報いることで自分の両手をいま赤く…
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+one step – VALSHE
いつのまに また桜は咲いた窓の向こう 対照的な僕の片手には有効期限つきの「今日こそは」 Nothing seek, nothing find. なりたいものになれる時代かため息混じりに寝転がったたぶん僕には関係ないや ―変わりたいんだ― Nothing ventured, nothing gained. 慣れない日々 日常になった自分に言い訳してみたって ―今日こそは― もう一度 探してみるからO…