ノイズを吐き出した旧式のステレオ
床に落ちたちゃちなスピーカ
好きな物ばかりを食い潰した僕は
次の欲望を求める
ドアに窓に沢山の錠前を掛けたんだ
今はただ独リにさせてくれ
諦めろ 帰れ ここには近づくな その程度の優しさはいらない
漂うメロディは油ぎったように
重く粘るマイナブルース
部屋中を手探り右手に触れたのは
埃まみれの微笑み
気が付けば破り捨てたフォトグラフを
かき集めて繋ぎ合わせている
忘れるんだ 駄目だ 二度と思い出すな この程度の温もりに焦るな
モノクロに仕上げたはずの記憶に
少しずつ色が付き始める
足りないんだ 君が 優しさが 温もりが この部屋には一つも無いんだ
明かりを消して強く目を閉ざしても
心臓の鼓動がうるさくて
足りないのは 何だ? そんなもの無いはずだ それでも膨らむ淋しさ
合鍵なんて始めから無いんだ 誰かここから出してくれ!
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