Half-Life

アオイ – Half-Life

いつもより少し早く
目が覚めてしまったなぁ
年々重なった不安に
無理矢理起こされてしまったなぁ

母親から着信があった
画面をテーブルにふせ
「何とか元気でやってます」
心の中で返信

青春ごっこの続きをまだ
この街で探してる
見なれた満員電車の行き先は
夢の先か?現実か?

憧れが創ってた華やかな世界だ
一度も履いてないブーツ
気に入って買ったはずだった

知らない事を知らなかった
集めて回る僕の姿
なりたくない人になっちゃったのか
なりたい人になれなかったのか
時計の針に背中押され
今日も1日が始まるから
不透明にすけた東京の朝に
余計なものは捨てて出かけなきゃ

長い事開いてない
文庫本に描いてた
あの頃のままの落書きは
今の僕に何を問う

優先席に躊躇なく
たまには座ってみたりして
見なれた最終電車の行き先は
夢の先で現実です

排気ガスとため息はよく似ているなぁ
生きるため吐き出した
いらなくなった心の欠片達

「負けたくない」と意地をはった
あきれて見てる人の姿
見えないものに届かないままなら
見えないままでもよかったのに
時計の針に逆らっても
今日も1日が終わってゆく
真っ黒で明るい東京の夜に
大事なものを拾いに行かなきゃ

「幸せです」と言えないけど
「幸せです」と笑えるなら
まだ見た事もない東京の色が
いつかきっと見つけられるかな
時計の針に合わせてみて
つまずき転んで立ち上がって
いつもと変わらない東京の空
いつもより深く息吸い込んで
今日は少し早く出かけよう

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