Bocchi
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影送り – Bocchi
照りつく太陽に掴めそうなあの夏の影は今じゃもう 消えかかっていた昔の事なんて随分、思い出せなくて笑うだけ 僕はただ笑うだけ 何にも分からないんだ 定義なんて無いくせによくもまあ“友情”だなんて纏めやがってさ今日もグラス1杯の「孤独」ってやつを仰いだあの日と何が違うのか 忘れられてしまえば死んだも同然だから居場所のない動物には名乗る術もないだろうあぁそうか、踏まれる影もない僕は行く宛てもないままに漂…
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愛憎にレモネード – Bocchi
寂しさを口に運んでレコードに針を落とすの それがいいトーストの焦げた匂いに昨日のこと夢に見ていた 時間は動いているのに二人は止まったままでさそれでなんかね、少しはね悲しくなったりするの時間は動いているのに二人は止まったままでさそれでなんかね、少しだけ狂い始めてしまったの もうちょっとだけ 愛してもうちょっとだけ 理解してもうちょっとの「ちょっと」くらいは傷ついてみて …欲しかったの。 …
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帰途 – Bocchi
あぁもうなんか疲れちゃったな。今日(いま)を少しだけ生きたら辞めちゃおっかな。だけどあぁそれもなんか疲れちゃいそうだしな。いっせーのーせで 今から降りようか。じゃあね あぁもう これで何回目だっけな。無邪気に生きられる あの子が妬ましいな。僕も歩き方は覚えたはずなのに一歩も踏み出せやしない弱虫さ。だから 何もかも中途半端な日々は陽が昇る前に棄てちゃいたいな。明日の僕が 後ろ指を指すんだ。「しあわせ…
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夏に溺れる – Bocchi
揺らいだ世界はいつもより眩しかったきっとあれは夢なんかじゃない魔法みたいな遠い夏の日 切り取ったって手に残るものはなくて君といた夏 青に飲み込まれてしまいそうで走ったって手の中から飛び出して目を離したら 今が凪いだら消えてしまいそうだ サイダー 飲み干して目に映る雲を追いかけた時間が止まるほどに愛しくて寂しかった遠い夏の日 思い出したって ってもうあの日には戻れなくて思い出になったらいつか薄れてし…
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夜のため息 – Bocchi
最低な僕だ 何も知らなかった僕だ俯いたまま 歩いたため息をついた 人混みに紛れた君の匂いなら分かってる はずだった 何がいけなかった 自分では分かっていた言葉に出来ない うまく笑えないただ繰り返しの日々で過去に戻れても 変わってなかったと思った道徳的には きっと 間違ってないだろ神様のいたずらにでもしとこう 曖昧な 愛ばっかりで手のひらで転がして愛の定義って何だっけきっと変わっていない 変わってい…
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忘愛 – Bocchi
忘れてしまったの あなたの愛し方を言葉にしてた事も愛おしかった声も何処かに無くしてしまったのあなたの扱い方をいつかのさよならはこの日を待ってたんだ おやすみが消えた午前三時半あの頃の記憶に目を合わせた思い出したら喰らっていた何かが薄れているのに寂しさを覚えるのは気のせいか、気のせいだろうかなんてさ本当は分かってた迸るほどの感傷は涙を吸って薄れてしまったってならばもう希釈する事なく僕は今すぐあなたを…
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君は夏風 – Bocchi
真昼の陽炎によく似た揺れ動く波の正体は靡く風 きっと風忘れかけていたあの匂いに揺れ動く心にそっと吹く風 君に風 茹だる声と 昼下がり 転寝 憂鬱を飲料水に溶かして流し込めば見上ぐ先 君が笑う 「もう夏だね」 さよなら また逢えるから思い出に栞を挟むの滴る汗も今だけは 重力に逆らえ 打ち寄せる波 防波堤 フラスコ瓶映る西南西 「落ちたね」あぁ、夕暮れ 夕立 鳥居を潜ったら 落ちる雹に蝉も鳴き止んだん…
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夜行列車 – Bocchi
流れる時間を置いて僕ら今使い古した 希望を持ってささよなら 淡い日々は残さないように僕らはこのまま このまま テールライトに目を覚ます軋む車輪は悲鳴が走っている振り返れば続く無人駅 最終列車 ここは終点、僕は憶えてる夢の続きがここに残ってる想い描いたユートピアまでもうすぐさ 「聖なる夜に祈りを捧げて」とうにそんな歌は死んじゃって声にならないこの感情じゃこんな世界の隅っこじゃ 聞こえないね 「だから…
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ノイズとイヤホン – Bocchi
あぁ気づけば朝になってた日々が大切ででも君との朝は眩しいからそっと目を閉じてると違う世界の音が聞こえてくるこんな君との生活が続きますように 失敗だらけの毎日がほら親指一つで忘れるように 僕らの日々に断裂が見えたとしても僕はそれすら愛おしく思えるから君の寝息に安価なノイズが走る夜今を落とさないよう優先にしてるんだ あぁ何故だろう君の顔がどこか懐かしくてまだ三日も経ってない今でもそっと思い出してしまう…
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青春透過 – Bocchi
鬱伏せた日々に殴り掛かったチャイム戻らないヒビは机に張り付いたまま 僕の人生気の毒は続く窓を見れば僕が僕を覗く青く染まるはずだった春は藍色にもなれないんだろうか 隣にいる退屈も今ならきっと君と猛スピードで吹っ飛んでしまいそう速まった心臓が絡まった心情を追い越すように今走った 僕の人生全部賭けた青春全部君に歌うよ、この声よ、君に届いてよ明日ひとりぼっちからの卒業式君は笑うよ、この声が声になれるなら …