須藤慎吾と椿姫
エズの扉 – 須藤慎吾と椿姫
南吹く潮風の翼にはこばれて
いつの日かもう一度
あの街をたずねたい
行きずりにであった人
岩壁にスミレにおう空の迷路で
二人かわした思い出が
いまでもかけめぐる
裸足でのぼった石畳の
すべりそうなやわらかい光で
寝ぼけ眼の鳥たちには
きみの姿はみつけられない
南吹く潮風の翼にはこばれて
居眠りの木陰に
エズのあの扉みつけた
行き止まりにであった人
屋根裏に灯りともる――
迷路でひろった
めくるめく鷲の羽
さしておいた扉をあけよう
南吹く潮風の翼にはこばれて
いつの日かもう一度
あの街をたずねたい
行きずりにであった人
岩壁にスミレにおう空の迷路で
二人かわした思い出が
いまでもかけめぐる
裸足でのぼった石畳の
すべりそうなやわらかい光で
寝ぼけ眼の鳥たちには
きみの姿はみつけられない
南吹く潮風の翼にはこばれて
居眠りの木陰に
エズのあの扉みつけた
行き止まりにであった人
屋根裏に灯りともる――
迷路でひろった
めくるめく鷲の羽
さしておいた扉をあけよう
くるおしくこいして形なくもえはて月の光を指でなぞったまるでミューズの女神今宵は曇り空コウモリもとばない空の上までいけるだろうか光の梯子(はしご)を――いまにもき
Fortuna裸足のままとびだしたエナメルのサンダル指につまんでFortuna羽のはえた靴だからすぐにでも空へとかけあがっていける気まぐれ うつろう女神(ひと)
嵐の夜ひびく だれか篠笛わたしの心はねむれないぬぎっぱなしの靴 ベッドにかくし裸足のままあける硝子ドアもう雨傘なんていらない嵐の中でおどる――もう青空なんていら
くびれ腰 ガラス瓶逆さまにかえすたびこぼれたり すりぬけてすべるようにながれゆくわたしにはよくわかるきた道をまたもどりなつかしのあの浜辺あなたとのあつい夏空より
これ以上はほしくないわ願い事おおくて つかれたみたい宝石箱を空っぽにしたらききあきたメロディ ながれてきえた小雨けむるカフェ とおりすぎゆく人廂をみつけて テラ
明日にむかってあるいて あるいてようやくたどりついたらそこが今日になるつきせぬ願望(おもい)は時代の風にふんわりとあずけてあたらしい朝へつきてみよ 一二三四五六