青木美保

  • 命ひとすじ – 青木美保

    つまずき転んだ 昨日もあるわ転んでみつけた 明日(あす)もあるひとの一生 いい日も来るとそっと教えた めぐり逢いこんな私で いいのでしょうか命ひとすじ 命ひとすじ あなたと生きる 背中に風吹く 寂(さみ)しい夜も寄り添う灯(あか)りが ここにある飲めぬお酒も つき合いたくて二人づれなら 夢酒場そっとかさねる 心と心命ひとすじ 命ひとすじ 尽くしてゆくわ この世の波にも 流されないで急がず歩いて 行…

  • 大輪の花~第二章~ – 青木美保

    名もなき花の 種ひとつ夢に吹かれて 東京へビルの谷間で 空見上げ今日も唇 噛み締めたじっと我慢は 親ゆずりたとえ嵐に うたれてもあふれる想い 胸に秘めいつか大きな いつか大きな花になります 人に踏まれて 倒れても明日(あす)を信じて 生きてきた心支えて くれたのは強く優しい 故郷(ふるさと)よじっと我慢は 親ゆずり帰りたいけど 帰らない涙こぼれて しまうから夢を咲かせる 夢を咲かせる花になります …

  • 男と女の港町 – 青木美保

    あんな男と つぶやけば未練がゆらゆら グラスに揺れる海鳴り 桟橋 港の酒場愛して信じて またひとりいつも男は チェッ チェッ チェッ 気まぐれ薄情(うすなさ)け 広い背中の ホクロさえ私のものだと 思っていたわ口紅 後れ毛 夜更けのお酒あの人今頃 どの港無理に笑って チェッ チェッ チェッ 別れた雨の夜 霧笛ひと声 泣くたびにお酒がせつなく 心に沁みる面影 波音 港の灯り恋などしないと 決めたのに…

  • 乙姫川 – 青木美保

    川面に震える 水草(みずくさ)と同じ姿ね この私今度こそはと 信じた人を涙で送った お假屋橋(かりやばし)よあきらめきれない あなたを今も乙姫川(おとひめがわ)は ひとり川 あなたを忘れに 来たものを浮かぶ面影 水の上熱いあなたの 吐息の波に溺れたあの日は 還(かえ)らぬ夢か良い事ばかりの 思い出抱いて乙姫川(おとひめがわ)は 未練川 心を重ねて 愛してもなぜに幸せ つかめない恋にやつれた 女の胸…

  • 夢一輪 – 青木美保

    あなたの心の お守りにせめて私が なれるなら淋しさうずめる それだけのしのび逢いでも いいのどこかでお酒を 飲んでたらそっと私を呼び出して電話を離さず 夜更けまでいつでも 待っているから愛してはいけない人だと 分っているけどつのる想いたち切れないのたとえ短い月日でいいのよそして悲しい終りがきても夢を一輪咲かせてくれたら あなたの心の隅っこにせめて私を住まわせて泣きたいくらいに 好きだから逢えるだけ…

  • おんなの冬景色 – 青木美保

    夜汽車を降りたら 凍てつく風雪が昔はそれから 連絡船に凍る吐息の 白さより重い心が 寒いから 都会暮らしにゃョー アーア 冷めたかろう愛のぬくもりョー アーア 恋しかろうあなた何処まで女の冬路は いつ終る アーア 寂しい港にゃ 海鳥だけがどこかが似ている 故郷みたい海のむこうの あの岬胸の痛みの 捨て場所か 涙連れならョー アーア 悲しかろう波に身を投げョー アーア 死にたかろうあなた教えて女の冬…

  • 流氷挽歌 – 青木美保

    春を呼んでも 流氷だけが海を埋めて 流れ着く添うて一年 別れて二年みれん三年 身が細る北の港の 淋しさよあなた恋しい 流氷挽歌 雪にうもれた 波止場の隅にゃ主を失くした 舟ばかり凍る心を 抱かれて燃えて寒さ忘れた 夜もあるそれが私の 恋でした夢もしばれる 流氷挽歌 女盛りを 最果てぐらし愚痴もむなしい 北の町縋りつきたい 想いを抱いてたとえひと冬 待ったとて逢えぬ運命が 怨めしい唄も涙の 流氷挽歌…

  • 舟宿にて… – 青木美保

    かもめになれたら いいだろな飛んで行けるわ あの海へねずみ色した 晩秋の旅路の街に 雪が舞う舟宿のストーブに張りついてのんだ濁り酒酔う程恋しくて 廻す電話にやさしく絡む 海鳴りが 女の口から 言えないわ抱いていいわと 言えないわ恋は傷跡 残しても涙がそっと 消してゆく舟宿の番傘をかたむける港船が着くあなたを探したら 雪のすだれにあの日の顔が 見えますか 舟宿に逢いに来るかもめには 後で伝えてねかも…

  • 愛にさよなら – 青木美保

    貴方からの手紙 ここで破りたいと季節はずれの海 ひとり来たけど聞こえてくるのはあの日の笑う声夏は過ぎて 秋は染まり雲は流れ 冬空あんな恋は二度とないと今になって気づいた遠いあの夏の愛にさよなら 貴方がくれたのは優しさと哀しさ思い出はいらない明日をください誰よりもずっと貴方といたかった花は散って 鳥ははぐれ風は泣いて 寒空砂に書いた恋心が波にのまれ消えてく遠いあの夏の愛にさよなら 夏は過ぎて 秋は染…

  • 人生三昧 – 青木美保

    泣いて渡るも 笑ってゆくもこころの持ち方 ひとつじゃないか一生一度の 人生ならば酒よし 唄よし 涙よしついておいでよ ついておいでよ この男道 茨の道でも 登ってみればこころを休める花さえみえるよけて通れぬ 人生ならば酒よし 唄よし 涙よしついておいでよ ついておいでよ この男道 波に漂う 小舟のようにおまえのすべてを委せておくれ二人ひとつの人生ならば酒よし 唄よし 涙よしついておいでよ ついてお…

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