鏡五郎&真木柚布子

  • 藤十郎の恋 – 鏡五郎&真木柚布子

    聞いてくだされ この胸のうち秘めて幾年(いくとせ) せつない恋よ女心に 火をつけ燃やす甘い言葉の 愛しさ憎さ鴨川(かも)の川風 祇園の夜風嘘が彩(いろど)る 恋ざんげ お梶どの 嘘や偽りで この様なことが打ち明けられようか…わしが二十歳、そなたが十六の祇園祭の夜 出会(でお)うた時から一日も忘れた日はない 心が焼けるように 恋焦がれていたのじゃ…この想い 哀れと思うてくだされ…のう お梶どの…藤十…

  • おしどり道中 – 鏡五郎&真木柚布子

    富士のお山が 雪白粉(ゆきおしろい)で笑って見送る 東海道好きなあなたと 手に手を取ってお伊勢参りの 青い空相惚(あいぼ)れ おか惚れ ひと目惚れおしどり道中 えェ…ふたりづれ 三保(みほ)の松原(まつばら) 潮風うけて輪を描くトンビも 夫婦旅波の華散る 遠州灘の沖に白帆(しらほ)の 船が行く相惚れ おか惚れ ひと目惚れおしどり道中 えェ…ふたりづれ 長脇差(どす)じゃ斬れない 絆の糸を心に結べば…

  • お島・千太郎 つれ舞い道中 – 鏡五郎&真木柚布子

    花と咲くには 春まだ浅い風が身を刺す 峠道知らぬ他国を つれ舞い道中追手逃れてお役者化粧浮世芝居の幕があく エエ…幕があく お島さん その若男那はもうよしておくんなせェ 檜屋の千太郎は とっくの昔に死んだんだ今の俺らは 只のしがねえ旅役者… 何を言うの若男那それも これも 濡れぎぬを晴らすまでの辛抱じゃないの そんな弱気な顔 お島は嫌いですさあ胸のすくような 大見栄を切ってみせてちょうだい ねぇ …

  • 夫婦善哉 – 鏡五郎&真木柚布子

    遊び呆(ほう)けて 行き着く先はやっぱりおまえの 胸の中金も甲斐性も ない人やけどあんた優しい あかんたれすまんなぁ しゃあないなぁ夫婦善哉 人生泣き笑い 「お蝶 そんなに怒りなや 浮気なんかしてへんがな…わいには おまえしか おらへんのや 本当(ほんま)やでえ…」「柳吉はん 帰るとこ よう忘れへんかったなぁ…ようやく貯めたお金やのに…今度という今度は 愛想(あいそ)も尽きたわ もう…知らん…」 …

  • 縁(えにし) – 鏡五郎&真木柚布子

    この川を この川を越えれば待ってる 倖せが苦労かけたな 泣かせたないいえ今さら 水くさい春の風 秋しぐれ 冬の雪めぐる年月 幾山河縁結んで ふたり旅 この山を この山を越えれば向こうに 灯がともるつなぐこの手の ぬくもりがあれば笑顔で 生きられる春の風 秋しぐれ 冬の雪耐えて寄り添い 信じ合い縁はなさず ふたり旅 この坂を この坂を越えれば明日が 見えてくる涙 痛みを 分け合っていつか花咲く その…

  • 雪のみちゆき 梅川・忠兵衛 – 鏡五郎&真木柚布子

    たとえ死のうと 嘲笑(わらわ)れようと引くに引けない 恋の意地つらい浮世の 哀しい運命(さだめ)あなたいりゃこそ 耐えられた梅川… 忠さま…揺れる紅(あか)い灯(ひ) しのび泣く 『察(さっ)しはついていようが あの金は届けねばならぬ預かり金 その封印(ふういん)を切ったからには命がないのは知れた事…あのように衆人(みな)の前で恥かかされては男の一分(いちぶ)がたたず…梅川 わいと一緒に死んでくれ…

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