鈴木実貴子ズ
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都心環状線 – 鈴木実貴子ズ
パンクバンドは嫌いだ自分を信じすぎているからフォークソングは嫌いだいつかの誰かに似ているから売れてくバンドは嫌いだ自分が負けた気になるから高速道路車内でおんなじ音楽繰り返してる都心環状線 ぐるぐる回って同じとこ 都心環状線ぐるぐる回って同じとこ僕の感情線 ぐるぐる回って同じとこ 僕の感情線 ぐるぐる回っていつもと同じとこ 追越車線で定速運転 気持ちばっかり焦ってる皆が横目でチラチラと僕の人生ばかに…
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坂 – 鈴木実貴子ズ
夜中の駐車場 自動販売機の明かりコンビニで買ったフランクフルトとホットカフェオレライブがおわって今から帰る所2025年9月 外はまだ暑い汚れてしまった新しい上着楽屋の床がなぜか濡れてたそれのせいだ今日のライブどうやったんやろうかってボイスメモを聴きながらトボトボ歩くトボトボ歩く日々は止まらず流れ 気付けばもう大人さこのままでいいのだろうか 風は何も語らず 他人の歌を素直に聴けなくなっていたいいメロ…
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夕やけ – 鈴木実貴子ズ
夕やけは今も赤いままか心は今も奮い立っているか何にも誰にも染まらず壊されないでくれよ目の前の今をこの今を 投げ出さないでくれよ 歌いたい事はTシャツみたいな 生活に馴染んだ飾り気のない物着古した布の 内側のようさ 伸びきった肌着 薄くなった靴底明日も要らない 未来も要らない 安心も要らない 今だけが欲しいそんなんじゃだめか そんなのじゃだめか 値札の付かない人生の売り場 夕やけは今も赤いままか心は…
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あきらめていこうぜ – 鈴木実貴子ズ
あきらめていこうぜ ぶっ壊していこうぜ最初から僕は期待なんてされてなかったしぶっ壊していこうぜ ぶっ壊れていこうぜ光はいつだって暗闇にあるんだぜ 雨は上がった靴はまだ濡れている どこにも行けなかったな誰にもなれない僕だから 知らないこの空の 知らないこの青さ雨は上がった僕だけみじめだこんなダメな日には 歌をうたってやるのさ悲しい気持ちなんかは とっくに越えているわ あきらめていこうぜ ぶっ壊してい…
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正々堂々、死亡 – 鈴木実貴子ズ
生ぬるい夜を歩く 生ぬるい考えで歩いている生ぬるい風が撫でる頬 進行方向は全部赤右も左も怖くて見れない行き先は不明 現在地だって不明分からないまま道を歩く 分からないままここに立っている最終目標、正々堂々、死亡道路の隅っこ側から見ればただのゴミ最終目標、正々堂々、死亡都会の隅っこ両手を広げている 生ぬるい僕がこの社会で生きるには優しくはないよなもう周りも大人だし赤信号は止まって止まり続けて腐って戻…
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生活の柄 – 鈴木実貴子ズ
歩き疲れては 夜空と陸との隙間にもぐり込んで草に埋もれては寝たのです所かまわず 寝たのです歩き疲れては 草に埋もれて 寝たのです歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです 近ごろは眠れない 陸をひいては眠れない夜空の下では 眠れないゆり起こされては 眠れない歩き疲れては 草に埋もれて 寝たのです歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです そんなぼくの 生活の柄が夏向きなのでしょうか寝たかと思うと 寝たかと…
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春と修羅 – 鈴木実貴子ズ
あいつをどうやって殺してやろうか2009年春、どしゃぶりの夜にそんなことばかり考えてた 完全犯罪とかどうでもよくて金属バットを振りぬく夢悪意だけが真実の、春の夜の夢 嗚呼、なんかぜんぶめんどくせえあいつになにがわかるってんだどうでもいいことばかり気になるから午前三時にギターを弾いてる のみこんだ言葉は吐き出すような価値はない2009年春、どしゃぶりの夜にどこかでずっと猫が鳴いてた 富とか名声とかど…
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風に吹かれて – 鈴木実貴子ズ
輝く太陽はオレのものできらめく月は そう おまえのナミダ普通の顔した そう いつもの普通の風に吹かれて消えちまうさ あたりまえに過ぎ行く毎日に恐れるものなど何もなかった本当はこれで そう 本当はこのままで何もかも素晴らしいのに 明日には それぞれの道を追いかけてゆくだろう風に吹かれてゆこう さよならさ 今日の日よ昨日までの優しさよ手を振って旅立とうぜいつもの風に吹かれて 見慣れたいつもの町を過ぎれ…
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ベイベー – 鈴木実貴子ズ
ポケットに忍ばせた行儀のいい悲しみたちを暗くなったら時たま広げて安心をもらう子供のまま大人になった成れの果ての姿が転がる街東京で睨みつける真正面ショーウィンドウ張りぼてみたいな街老眼で見えないピントを調整できない老けた正義が立ち尽くす マンホールの下隠れてる体をなくした夢たちが下水工事のフリをして本当はみんなで狙ってるんだ ベイベー踊らされてもいいぜベイベー惑わされてもいいぜ今夜イミテーションで繋…
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かかってこいよバッドエンド – 鈴木実貴子ズ
爪を噛んで夜のど真ん中ほぼほぼ見えたバッドエンド唇噛んで夜のど真ん中でも正面衝突その一択 ああ、すべての弱さに ああ、すべての暗闇ああ、ひねくれ者に右手にスパナでいったろか 正しいばかりで出来てない美しいばかりも成り立たない所詮ひとりの生き様さいくつになっても足掻きたい 正面衝突やったろかバッドエンドにいったろか右手にスパナでいったろかかかってこいよバッドエンド 爪を噛んで夜のど真ん中ほぼほぼ見え…