野村将希

夕子 – 野村将希

うたをひとふし くちずさみ
グラス片手に 泣くやつだった
夕子 おまえが 消えてから
こころにひゅるひゅる 風が吹く
恋は涙か 男と女
俺は今夜も しのび酒

淡い洋燈に 肩寄せて
ゆめを見ていた 俺達ふたり
錆びた貨物の 船にのり
異国へゆくかといいながら
ゆれて止まり木 男と女
あれが最後の 夜だった

夕子 おまえは どこの店
咲いていてくれ 可憐な花で
俺があの頃 まともなら
指輪のひとつも やれたのに
逢えば別れる 男と女
きっと探して 抱きしめる

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赤い花 – 野村将希

抱けばこんなに 小さいと俺の手の中 甘えるおまえ生活の疲れ かくすよに笑顔いっぱい 咲いていた思い出の 赤い花こころの花だよこれが別れと 云う朝にうしろ姿で 泣

アカシアの女 – 野村将希

アカシアは アカシアはおまえの花と 名づけたよ面影匂う 可愛いやつよ男ごゝろを 熱くして大事に育てた 恋だったアカシアの アカシアのせつない夜に 身を焦がしわた

夜の朝顔 – 野村将希

夜明けと共に 朝露落ちてつるに抱かれて 咲くと言ううす紫の 絣(かすり)の着物どこか寂(さみ)しい 細い影はかなく咲いた 小さな花よネオンがくれの 夜の朝顔似顔

冬花火 – 野村将希

北の港で おまえを捜し一人で歩く 波止場まち浜の酒場は 夜風が沁みる季節はずれの 冬花火きれいな色は はかなく消えてどこか寂(さび)しい 夜の星肩を並べた 写真

北の別離 – 野村将希

おまえのかすかな 移り香に別れの決心(こころ)が また迷う雪の舞う 空見あげ涙こらえる 細い肩抱きしめて… 抱きしめて…奪ってゆきたい 北の駅舎(えき)どうして

一度だけなら – 野村将希

一度だけなら 許してあげる好きな貴方の 嘘だもの騙されましょう 聞かぬふりして許してあげる一度だけなら 酔わせてあげる飲みたいでしょうよ 辛いのね夢がこわれた 

ふたりの走り雨 – 野村将希

傘もささずに 待ってる女にやさしい言葉も かけられず俺は冷淡い 背をむけるけれどおまえが 愛おしすぎてわかれられない 路地裏のああふたりの走り雨俺のいのちを 二

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