野口五郎

二死満塁の青春 – 野口五郎

白い打球が空を翔ける
二人の愛が星空を渡った夏の夜
あなたが投げたまごころを
ぼくの両手がしっかり受け止めたあの夏の夜
追いつめられたぼく達が
明日に向かって人生をぶつけてた夏の夜

あなたと初めて出逢った場所は
(That night in Summer)
ライトの眩しいスタジアム
涼しい横顔オペラグラスで
(That night in Summer)
内野の選手を追っていたんだよね
おひとりですか お嬢さん
おそるおそるかけた言葉に
揺れて振り向くまなざしが
ぼくの心をぬいとめた

都会に来てから友達もなく
孤独を抱いてたせまい部屋
あれからあなたは訪ねてくれて
小鳥の世話までしてくれたんだよね
淋しいですか お嬢さん
そんな言葉に結ばれて
二人の胸の淋しさを
いつか重ねて抱いていた

あの夏十年振りの暑さに
(Two Out Bases Loaded)
あなたは陽ざしにたおれてたね
ドラッグ・ストアーへ燃える舗道を
(Two Out Bases Loaded)
息切れしながら夢中で走ったよ
おひとりですか お嬢さん
あの一言がよみがえる
ぼくと一緒に生きるたび
苦労ばかりをかけてたね

Two Out Bases Loaded
Two Out Bases Loaded

二死満塁のピッチャーは
振り返れない運命を手のひらに握ってる

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