藤原義江
かやの木山の – 藤原義江
かやの木山の かやの実は
いつかこぼれて ひろわれて
山家のお婆さは いろり端
粗朶たき 柴さき 燈つけ
かやの実 かやの実 それ爆(は)ぜた
今夜も雨だろ もう寝よよ
お猿が啼(な)くだで 早よお眠よ
かやの木山の かやの実は
いつかこぼれて ひろわれて
山家のお婆さは いろり端
粗朶たき 柴さき 燈つけ
かやの実 かやの実 それ爆(は)ぜた
今夜も雨だろ もう寝よよ
お猿が啼(な)くだで 早よお眠よ
梅は咲いたか 桜はまだかいな柳 なよなよ山吹ゃ浮気で 色ばっかりションガイナ梅が咲いても柳ゃ見ても山吹ゃ浮気で 色ばっかりションガイナ
どこまで続く泥濘ぞ三日二夜を食もなく雨降りしぶく鉄かぶと(雨降りしぶく鉄かぶと)嘶く声も絶えはてて倒れし馬のたてがみをかたみと今は別れ来ぬ(かたみと今は別れ来ぬ
鉾をおさめて 日の丸上げて胸をドンと打ちゃ 夜明けの風がそよろそよろと 身にしみわたる灘の生酒に 肴はくじら樽をたたいて 故郷のうたにゆらりゆらりと 日は舞い上
ドンと ドンと ドンと 波のり越えて一挺 二挺 三挺 八挺櫓で飛ばしゃ波はためそと ドンと突きあたるドンとドンとドンと ドンと突きあたるエッサ エッサ エッサ