荒木由美子

  • 魔術師の小夜曲(セレナード) – 荒木由美子

    聞こえるわ 聞こえるわ きらめく光に聞こえるわ 聞こえるわ 不思議なひびきが今 奏でるふたりの夢の 素敵な恋の始まり 都市(まち)はいつも さみしさ売る市場なのね愛の夢を夜と取り換える心乾き涙乾く ネオンライト人恋しく さまよい続けた だけど あなた魔術師ねきっと魔術師ね愛の魔術師のセレナード ほら 聞こえるわ 聞こえるわ きらめく光に聞こえるわ 聞こえるわ 不思議なひびきが今 奏でるふたりの夢の…

  • やさしい黄昏 – 荒木由美子

    角のCafeから もう2時間も窓のかたちに 表を見てる紙のコースター 走り書きして来るあてのない 人を待ってた Twilight Feeling 振り向いたら 想い出Twilight Feeling 立ち止まれば 哀しみ あの日の私に 戻れるならば心を横切る あの面影もやさしい黄昏に 姿変えるのに 何の理由も なかったけれど二人それきり 逢わなくなった椅子の軋みに 揺られて書いた古い手紙は 破いて…

  • 夢あわせ – 荒木由美子

    星のようにくだけた手鏡が夢のなごり キラキラキラとはじいてる張り絵なんかよそうとあなたは心の画用紙をたたむ私は想い出拾う この世にふたり 生まれる前に知ってた様なめぐり逢いかたあたりまえのように抱かれなつかしく愛した 糸の切れた人形 過ぎたはずの季節の中で ユラユラユラと動き出すふたりで破ってきた日めくりちらばるひんやりと聞いた これからどうするのかと この世にふたり 生まれる前に知ってた様なめぐ…

  • 忘れない – 荒木由美子

    知っていました あの人のことはだからもう いいのよ あなた今日は煙草に火をつけないのねテーブル越しの遠い人 こんな秋の終わりにしては陽ざしがまぶしいガラス窓夏の間は忘れていた寒さを思って身ぶるいしてる アー 私 あなたを忘れない別れても 別れても あなた忘れない こんな時こそ 涙があるのに笑顔見せてれてるなんてあの人じゃなく 私だったのねあなたのそばをたち去るのは こんな秋の前の私がちらちら心に見…

  • Lの悲劇 – 荒木由美子

    L is lucky L is loveL is lucky L is love 朝届く手紙は 幸福の予感Blueの封筒 裏を返せば一文字差し出し人は“L” 私らしく 愛して(愛して)私らしく 粧い(粧い)私らしく 生きていればそれで それでいいのといいのと いいのと L is lucky L is loveL is lucky L is love封を切るまで そう信じていたわ 目に飛びこんで来た…

  • 春の妖精 – 荒木由美子

    腕をからませると 大きなセキばらい一ツあなたのテレた顔が好き 若葉つけ始めた プラタナスの並木道で私の声が弾んでるわ ねェ季節は待ってる間が楽しいもの 空気が生きて光が生きて生きて 生きて 生きてる間に 恋をしましょうか あなたともっと本気でしてみましょうか 息を深くすえば 小さな胸さわぎ一ツあなたのかみの ヘアートニック 澄んだ色で空を ゆっくりふく風のせいで輝く雲が ゆれているわ ねェ季節は感…

  • 危険な標的(げーむ) – 荒木由美子

    かきあげた髪の 手ざわりでわたしは わかってたのほかに 好きな人 できたのねあなた そうでしょう タクシーひろって 行先つげて心は勝手に 飛びたつ人ねいつでも危険と 背中あわせねだけど あなたが好き だめよ だめよ いつも いつもこんなふうに 負けてしまういつか いつか きっと あなたつかまえてみせるわ わたしを送った その後であなた誰に会う気なの車のライトが照らしだす横顔がにじむ 心のとびらを閉…

  • ダンシング・パートナー – 荒木由美子

    約束の時間に現れたのは彼じゃなくて his friend縞のシャツ カフスも 気取っているわ趣味じゃないのに his friend ダンシング・パートナーダンスの相手 変えるようにダンシング・パートナー彼は私を ゆずっていたの友達に 友達に ステキな曲でも 踊りたくない胸が痛むの ひどい話だわ 君の事 前から好きだったよと喋っているわ his friendめんどうで 名前も聞く気がしない興味がない…

  • ミステリアス チャイルド – 荒木由美子

    子供が見てたの 子供が見てたの これが最後の賭けのつもりで夜の公園にあなたを誘うのナイフのような月が怖いと泣きじゃくりながら抱いてと迫るの アー 唇がすぐそこにアー そっと目を閉じかける 誰れもいないはずなのに誰れかが見ている誰れもいないはずなのに私を見ている ミステリアス・チャイルド チャイルドミステリアス・チャイルド チャイルド チャイルド子供が見てたの 子供が見てたの揺れてるブランコで 砂場…

  • グッド・バイ・ジゴロ – 荒木由美子

    いい事 ジゴロ 勝負はこれから 時計の針が 12時うってようやくあなたは 帰って来たわ足にじゃれつく 黒い子猫を邪険に払って お酒をあおる ジゴロ そうよ ジゴロ人形の瞳が キラリと光る 女の力を 甘く見てはいけないわナイフの先を 灯(あかり)にかざし切れ味ためして にっこり笑ういい事 ジゴロ 覚悟をなさい 出かける前に 30分も鏡に向って グリース塗ってたにせのアリバイ 作ってもダメだいたい察し…

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