竹友あつき

あの子の席 – 竹友あつき

ふたつ隣の教室の友達が
やたら楽しげに話す出来事
僕にはまったく理解できない

ふたつ隣の教室の空気には
ひどく汚れたものが混じっていて
少しずつ友達を汚染している

40人の格差社会 底辺にいるあの子が今
39人の敵を前に 笑っているのは何故だろう

ふたつ隣の教室の話だから
世間話ぐらいのノリで聞ける
あくまでも第三者 そう 第三者

ふたつ隣の教室の友達が
やたら楽しげに話す出来事
社会問題だなんて 信じられない

40人の格差社会 中心にいるあの子も今
39人の視線を集め 怯えているのかもしれない

ふたつ隣の教室の出来事で
本当に良かったと僕は思う
自分じゃなくて 良かったって思う

40人の格差社会 底辺にいるあの子が明日
いなくなったのなら 次は誰が
あの子の席に 座るのだろう

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