竹友あつき

  • 未来ライン – 竹友あつき

    スタートラインに立つときは一人だけれど今 君が流す汗は仲間を呼びよせる 踵すり減らした分だけ 僕らに太陽は光を与えるから君が立ち向かう その姿は誰かの未来を照らす ほら 悔し涙だって流しといた方が喜びの笑みの意味が増えるほら 見渡せば 君とともに泣いたり笑ったりしてる人がいる 一人で辿り着くゴールなどない僕らは支え合って強くなる 頑張る姿を笑う人はたくさんいるけどそういう人たちは頑張ったことがない…

  • Days – 竹友あつき

    コンクリート 淡々と続く色のない道落ちている石を蹴り暇をつぶす毎日 耳の奥 響いている心無い言葉を遮って 歩いていく 何回も 何回も俯いて やっと 前を向ける影のない場所に 陽は当たらないから 何回も 何回も傷ついて やっと 優しくなれる今では もう 傷跡さえ愛しいよ 眠れない夜の中浅い夢に落ちる 寝てるのか 覚めてるのか分からない感覚に惑う 罪悪感が悪夢となって回り続け 心を徐々に蝕んでいく 何…

  • いちぬけた – 竹友あつき

    無意識にサイレンの音を避けて寄り道して時間を無駄にしたバレなければ罰されないからと犯した罪が街に溢れている どうなりたい?どんな大人に君はなりたい?どうでもいいどうなってもいい… 真面目に生きれば生きるほどに誤解されたり 馬鹿にされたりもう 嫌になってしまう 器用に生きるのが大人なんて大きくないよ 小さい人だよもう やめた 今 いちぬけた無責任に未来を決められて人生の近道を遠回り「進む路」と書いて…

  • 皆勤賞 – 竹友あつき

    風邪をひいたよ明日、休もうかなクラスのみんなにうつしたら悪いし でもなぁ、それじゃ君に会えないやっぱ行こう マスクすればいいや 学校は授業する場所じゃなく君に会える 待ち合わせ場所遅刻も欠席もしないよ君がいるなら 皆勤賞さ 帰りのホームルームなかなか終わらない先生、くだらない無駄話やめてよ 君と同じ電車の窓から見える景色がとても好きなんだ 君がいない帰り道ではもうどこにも帰れないんだ早退も欠席もし…

  • あの子の席 – 竹友あつき

    ふたつ隣の教室の友達がやたら楽しげに話す出来事僕にはまったく理解できない ふたつ隣の教室の空気にはひどく汚れたものが混じっていて少しずつ友達を汚染している 40人の格差社会 底辺にいるあの子が今39人の敵を前に 笑っているのは何故だろう ふたつ隣の教室の話だから世間話ぐらいのノリで聞けるあくまでも第三者 そう 第三者 ふたつ隣の教室の友達がやたら楽しげに話す出来事社会問題だなんて 信じられない 4…

  • 制服の裏側 – 竹友あつき

    偽らず生きようと偽って生きてきた 制服の色も 着方も決められみんな同じになって ワイシャツのボタン 上までしめた喉の下の苦しさが僕らを大人に近づける 社会の中で 正直に生きて自分に嘘をついている制服の裏側 ひとりにならないようみんなに合わせてる 信号の点滅 横断歩道みんな同じ歩幅で ワイシャツのボタン 上までしめた喉の下の苦しさが僕らを大人に近づける 社会の中で 正直に生きて自分に嘘をついている制…

  • 成長期 – 竹友あつき

    傷つかないようにうまく立ち回る方法を学んでいくことを成長と呼ぶのだろうか? そういえばもうずいぶんと涙を流していないそれくらい僕の心は麻酔にかけられているのだろう 小さな頃あんなに痛かった注射も今となればたいしたもんじゃないな 大人に片足突っ込んで必死に引き抜こうとしていまさら、戻れはしなくて深みにはまっていくばかりで そうしてだんだん僕たちは大人になっていくのだろうあんなに大嫌いだったつまらない…

  • ズルいよ – 竹友あつき

    僕の今まで 背景はただ真っ白で全てのことがそれなり 平均点の日々 「普通」だと誉められも叱られもしない ずるいよ ずるいよ勉強出来て スポーツ出来るやつずるいよ ずるいよ授業サボって ゲーセン行ってるやつ誰か僕を見てよ! 校舎の影は大きくて とても濃いから薄い僕の影 簡単に消し去ってしまう 授業終わり帰宅部は足早に下校 うるさい うるさい放課後の学校 響いてる青春の音うるさい うるさい学校行事 青…

  • 16歳 – 竹友あつき

    見えないものなら 別に怖くないんだ聞こえない音なら 別に怖くないんだ目を閉じる 耳を塞ぐ イジメするんなら 見えないようにして心が痛むから陰口言うんなら 聞こえないように言って心が傷つくから 知らないままなら 別に辛くないんだ知ってしまうから 劣等感を抱くんだ目を閉じる 耳を塞ぐ イチャイチャするんなら 見えないようにして羨ましくなる自慢したくても 口には出さないで羨ましくなるから 知らないことな…

  • ペンケース – 竹友あつき

    蛍光ペンで塗ったみたいな空の青はあまりにも眩しすぎる昨日の雨で街は濡れて水たまりは陽の光を反射してる 雨上がりの朝の街はいつもより煌めいて 悲しいほど 澄みきった空気大きく息を吸い込み吐き出し汚れた心を洗うのさ 今 深呼吸 優しい風 頬を撫でたならそっと体と心を預けて青すぎる空に解き放つのさ 今 flying マジックペンで塗ったみたいな夜の闇があまりにも恐ろしすぎて蛍光ペンの色と同じネオンライト…

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