白石紬(南早紀)

  • 折紙物語 – 白石紬(南早紀)

    四角四面 求められる場面は其処は其れ そのままで良かった透明に恋焦がれていたのね暗闇にほろり 溶けるさまに 柔らかな指先ずっと覚えている線をなぞるようにあの日 心開いた 重ね上げてゆく千の綿羽をいつか羽ばたくああ 私だって太陽のように それは ありきたり少し冷える午後どこで聞いたか語りましょうか小さな物語を 大切に胸にしまってゆくの開くのは 全て出来上がったらさざ波はとても心地良くってきっと誰か羽…

  • さかしまの言葉 – 白石紬(南早紀)

    「寄り道してみようか」みたいなまるで軽い口調で未来すら変えてしまう違う彩(イロ)で塗ってしまういつもそう あなたはこの想いを連れ去っていく掬われた金魚の気持ちも知らないのに素直になれないなぜ唇はつむぐのさかしまの言葉意地悪なのはあなたなんかじゃない孤独を感じる歪な心 底まで沈んだ気持ちがほら水面(ミナモ)で酸素求めあと何度 機会逃すのくやし涙こぼれてくる「大丈夫」あなたはありきたりなセリフのくせに…

  • 瑠璃色金魚と花菖蒲 – 白石紬(南早紀)

    瑠璃色金魚は恋い焦がれる凛と咲き誇る花菖蒲吐き出す空気は泡の模様決してあなたの心に届かないの はなびらひらひらと 水面に落ちて震える指先時間が止まるわ 目が覚めた余韻の余白 外の世界は ねえ なんて眩しい嘘だとしても罪深過ぎたの眩暈がしても心地いいのはもう求めてるから 瑠璃色金魚が見上げるのは凛と佇んだ花菖蒲私 あなたのようになれたらもっと上手く微笑えますか 灯した明かりは燃えないまま今も青く棚引…

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