清水まり子
流れて津軽 – 清水まり子
よされよされと しばれて積もる
雪はおんなの 恨み花
三昧は抱いても 情けは抱けぬ
みれん深浦 鯵ヶ沢
よされ よされと 流れて津軽
顔も知らない 両親(ふたおや)さまが
眠る小泊 雪の下
十三の砂山 米ならよかろ
民謡(うた)が聞こえる 竜飛岬(たっぴざき)
よされ よされと 流れて津軽
岩木お山は 吹雪いて見えぬ
三昧をたよりの くどき歌
雪の向こうに かくれた春を
せめて手さぐり 五所川原
よされ よされと 流れて津軽
よされよされと しばれて積もる
雪はおんなの 恨み花
三昧は抱いても 情けは抱けぬ
みれん深浦 鯵ヶ沢
よされ よされと 流れて津軽
顔も知らない 両親(ふたおや)さまが
眠る小泊 雪の下
十三の砂山 米ならよかろ
民謡(うた)が聞こえる 竜飛岬(たっぴざき)
よされ よされと 流れて津軽
岩木お山は 吹雪いて見えぬ
三昧をたよりの くどき歌
雪の向こうに かくれた春を
せめて手さぐり 五所川原
よされ よされと 流れて津軽
宴の夜に水を差す くどい皮肉で 濁り酒うまい肴も いただけぬ まずい嫌味に 呆れ顔流しても いさめても 肩を抱かれて繰り返す長い ただ長い話が いつまでもなるべ
重ね重ねてできました浮世離れの白い肌若い 若い女にゃ負けないと無理を重ねる白い粉素顔をさらすよな 汗にも負けずたとえ、地肌で 息できずとも今日もどこかで 重ねて
夕暮れベンチに腰かけてすり減った靴底見つめてた歩いて歩いてからまわり闇につつまれ壊れそうさただただひたすら生きてきたあなたがなんで消えてくの無念の涙を受け止める
あなたがもういないことは 本当は分っていました温もり消えたこと 分かっていましたあなたはあなたのまま 真っ直ぐに生き抜いただけわたしの心がただ幼かっただけ瞼閉じ
許してかあさん 親不孝娘の十年 二十年どうにか明日が 見えたから母子(おやこ)ふたりの 湯治場へご恩返しは ご恩返しは これから夢が待つ背中を流せば やつれたね
化粧おとせば 鏡の中に母に似てきた 私が映るおとぎ話しの 夢でもいいの 夢でもいいの幾つになろうと 恋を追うおんな悲しい 花の舟惚れた男が 飲む酒ならば肌で温め
裏街とまり木 男のなみだ木枯らし背中に 吹かないで女が男を 棄ててゆくこのごろよく聞く 話だね涙はここらで 通せんぼ始発電車の音がする子猫のようでも 女は恐い心
(セリフ)花嫁人形のようにきれいだぁ今日 お父さんの手から離れていくんだねお父さん 本当に長い間お世話になりましただめだなぁ泣かないつもりだったのに山に山風 野
飲めるわよ 酒ぐらいたかが色つき 水じゃない聞いてるわ サヨナラをまわりくどいわ 言い方が酔っぱらっちゃった 振りしているわ泣き上戸だと 廻りに見えるよにここま
いいかい?女の子はいつも可愛くいなさいあの日の言葉はまだこの胸の中あなたがもういないことは ほんとは分かっていました温もり消えたこと 分かっていましたあなたはあ
眠ってる間に 夢見てる間に時は流れ 過ぎてゆく子供の頃は もう夢の中時は時は 今も過ぎてゆくあなたの愛に 溺れているうちに時ははかなく 過ぎてゆくお前はかわいい
瞼を閉じれば蘇る万年日焼けの太い腕今日もガタゴト バイクにまたがり配達姿の割烹着年がら年中 しかめっ面をして口を開けば 憎まれ口顔を合わせりゃ 喧嘩してばかり口
撥(ばち)をたたけば 血を噴く指を口にくわえて くれた人雪が吠えれば ただ恋しくてこころ弘前 大間崎よされじょんから 雪哭(ゆきな)き津軽時の流れに 三味(しゃ