松阪ゆうき

  • 僕のおばあちゃん – 松阪ゆうき

    悔やしくて 涙で見た空は夕焼け小焼け 茜色 「ごはんだよ」 おばあちゃん僕を呼び 笑顔で おんぶした ゆらり ゆらゆら 背中で聴いたゆらり ゆらゆら 子守唄二人でひとつの 影法師 僕が子どもだった頃泣いて笑って疲れて眠り 僕が子どもだった頃いつもとなりに おばあちゃんがいた僕を守ってくれていた ただいまと 実家に帰ったら小春日和の縁側で うとうとと おばあちゃん 船を漕ぎ僕は隣で 口ずさむ ゆらり…

  • お嫁においで – 松阪ゆうき

    もしもこの舟で 君の幸せ 見つけたらすぐに帰るから 僕のお嫁においで月もなく淋しい 闇(くら)い夜も僕にうたう 君の微笑み舟が見えたなら ぬれた身体で駈けてこい珊瑚でこさえた 紅い 指輪あげよう もしも この海で 君の幸せ 見つけたらすぐに帰るから 僕のお嫁においで波も夢を見てる 星の夜は僕にゆれる 君のささやき舟が見えたなら ぬれた身体でとんでこい空へ抱きあげて もえる くちづけしよう 人気の新…

  • 津軽恋女 – 松阪ゆうき

    津軽の海よ滝飛岬は 吹雪に凍えるよ日毎夜毎 海鳴りばかり愚図る女の 泣く声か 津軽の女(ひと)よ別れうたひとつ くちずさむにごり酒に想い出浮かべかじかむこころの 空を見る 降りつもる 雪 雪 雪 また雪よ津軽には七つの 雪が降るとかこな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪みず雪 かた雪 春待つ氷雪 津軽の女(ひと)よ枕乱して 引き込む恋女愛に生きて夢に生きて白いかげろう 空に舞う 津軽の女(ひと)よねぶた…

  • 無法松の一生~度胸千両入り~ – 松阪ゆうき

    小倉生まれで 玄海育ち口も荒いが 気も荒い無法一代 涙を捨てて度胸千両で 生きる身の男一代 無法松 空にひびいた あの音はたたく太鼓の 勇駒山車の竹笹 提灯は赤い灯(あかし)に ゆれて行く今日は祇園の夏祭り揃いの浴衣の 若い衆は綱を引出し 音頭とる玄海灘の 風うけてばちがはげしく 右左小倉名代は 無法松度胸千両の あばれうち 泣くな嘆くな 男じゃないかどうせ実らぬ 恋じゃもの愚痴や未練は 玄海灘に…

  • そっとおやすみ – 松阪ゆうき

    化粧の後の かがみの前でいつも貴方の 手を借りた背中のボタンが とめにくい一人ぼっちの 部屋で今は居ない貴方にそっとそっと おやすみなさい もう陽にやけた タタミのにおい白いフスマに 傷ついたけんかの名残りも 悲しそう一人ぼっちの部屋で今は居ない貴方にそっとそっと おやすみなさい 別れの夜の 涙のしずく星も流れて 散ってゆく今夜のベッドも 冷たそう一人ぼっちの部屋で今は居ない貴方にそっとそっと お…

  • また逢う日まで – 松阪ゆうき

    また逢う日まで 逢える時まで別れのそのわけは 話したくないなぜかさみしいだけなぜかむなしいだけたがいに傷つき すべてをなくすからふたりでドアをしめてふたりで名前消してその時心は何かを 話すだろう また逢う日まで逢える時まであなたは何処(どこ)にいて 何をしてるのそれは知りたくないそれはききたくないたがいに気づかい 昨日(きのう)にもどるからふたりでドアをしめてふたりで名前消してその時心は何かを 話…

  • まにまにのまに – 松阪ゆうき

    薬指のリングを 外していつもと違う 口紅引いて甘い言葉と やさしい罠で知らないふりをするだけでいい外は雨と 馬鹿な俺と仮初 繰り返す無常 嗚呼離さない 離せないまにまにのまに 揺られて絶え間なく 押し寄せる後悔さえ 愛して もしも許されるのならそっと隣で眠る愚かな俺にけして消えない大きな痣(あざ)で真新しい朝を贈るわ窓に雨と ジャズクラブと揺蕩(たゆた)い 絡み合う慕情 嗚呼戻らない 戻れないまに…

  • 恋花火 – 松阪ゆうき

    待ち合わせの 駅の改札浴衣姿の 君が 手を振る久しぶりの 君は眩しくふいに戸惑う 僕だった幼なじみの 君はいつしか知らないうちに ああ 綺麗になっていた近くて遠い横顔 あれから何年 たっただろうあの夏の 夢は儚くて空に散りゆく 恋花火今も この胸を焦がす 外苑前 いちょう並木は未来(あす)も変わらず ここに 在るのかめぐる季節 青春の日々探し続ける 僕だった無邪気に笑う 少女の君は僕より先に ああ…

  • あの夏の蜃気楼 – 松阪ゆうき

    銀色のセスナが 青空に孤を描き太陽に 解けていくのをいつまでも 君と見ていた青空に残った 白い雲の軌跡は今も尚 消えることはない果てしない この想いあの夏の蜃気楼 君が笑うだけで 僕は無敵になれたその笑顔 守るためならなんだって できる気がした変わらない想いが この胸に蘇る瞳(め)をとじて 耳を澄ましたら遠くから 僕を呼ぶあの夏の声がした 陽が落ちるまであと どれくらいだろうもう一度 君に逢いたい…

  • 黄昏のシルエット – 松阪ゆうき

    ゆびの先が ふれただけ心までは まだ遠いふいに黙る くちびるが言葉よりも 近くなる もうすぐ 愛しさが二人を変えてしまうから もう止められない もう止められない黄昏のシルエットただ溶けるように君を好きに 君を好きになる どんな恋を してきたの夢はいくつ 見られるの甘く香る 思い出は二人だけで 守りたい どこかに 幸せが答えを隠してしまうなら もう止められない もう止められない黄昏のシルエットただ溶…

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