平松愛理

観覧車 – 平松愛理

観覧車が空へ 昇ってゆく度
さっきまでなかった景色が
どんどん見えてくる
今日に追い立てられて 見失ったものを
忘れてしまうとこだったね
とりあえず今 ここで休んでいこう

ここなら思い切り泣けるでしょ
女同志 何も気にしないで
運転中に助手席で泣かれると
気が気じゃないからね

アイラインまで流れ落ちたら
学生の時のあなたの顔
ハンカチこんなに汚しちゃって
今度は余程のことなのね

山並が遠く 続いている
海だったとこに ビルが建って
知らないうちに時間は経つね

普段暮らす街は あんな小さいんだね
私達の悩みもきっと
ちっぽけなことかもよ
取るに足らないこと 泣いたり笑ったり
ひとつひとつに一人一人が
日々精一杯で うん、それでいいんだね

昔この辺野原だったね
そう思うと 私達長いね
どんなに久し振りに会っても
挨拶より会話から始まる

足元を見たらついて来てた
観覧車の影はとても濃くて
それは太陽がしっかりと
私達を応援してるから

一番高いとこ 過ぎた頃に
コンパクトでメイク 直している
地上に降りる覚悟をしたね

観覧車地上に 近づいてゆく度
ビルや家や道路や人が
どんどん大きくなる
あなたが泣いたのは 頑張っているから
無駄な涙は決してない
その先には いいコトが待っている

これからも色々 きっとあるだろうけど
いつでもあなたには私がついているよ
まずは ドライヴしよう

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