嶋幸二

  • 女一人の熊野道 – 嶋幸二

    熊野古道に ひっそりと揺れて咲いてる 山百合の淡い香りも 悲しげにポツリと落ちた 朝露に失くした恋の 終わりを告げる涙も涸(か)れた女、一人の 旅路です 人里離れた 奥山に誰(だれ)を呼ぶのか 鶯(うぐいす)は姿も見せずに 泣き通す心の傷を 埋めるようにホーホケキョ、ホケキョと 私をつつむ貴方忘れる女、一人の 熊野道 熊野古道の 里人(さとびと)の情けに抱かれる 旅の空心の痛みも 消えました夕陽は…

  • 裏町酒場 – 嶋幸二

    恋にやぶれて 沈んだ心裏路地通りの 灯りがさそう暖簾(のれん)潜(くぐ)って 呑む酒も呑めば侘(わび)しさ ますばかり未練ばかりの 未練ばかりのああ ああ裏町酒場 恋の切なさ 別離(わかれ)の辛さ燃えて儚(はかな)く 散りゆく花の忘れられない 面影を酒よ流して くれないか募(つの)る思いの 募る思いのああ ああ裏町酒場 口を開けば 後悔(こうかい)ばかり一人寂しく 酒場の隅で馬鹿な男の 未練酒ギタ…

  • 釣りに行こうぜ!2025・バージョン – 嶋幸二

    黒潮流れる 岬町(みさきまち)波も穏やか 釣り日和(びより)今日のえものは 何にする上物(うわもの)狙(ねら)いか 底物(そこもの)か道具を揃えて 釣り場(りょうば)へ急げ釣りだ、釣りだぜ 釣りに行こう釣りだ、釣りだぜ 釣りに行こう 釣り場(りょうば)へ着いたぜ さあ来いと竿を仕込んで 餌(えさ)を撒(ま)く後は当りを 待つだけさ浮子(うき)が動いた よし来たと竿を持つ手に 力が入りゃ嫁の喜ぶ 顔…

  • 渚の思い出 – 嶋幸二

    渚の砂に二人で書いた熱い思いの愛の文字波が静かに 消してゆく若きあの日の思い出を浜辺に立ちて 懐(なつ)かしむあぁ、あぁぁ逢いたいなあの日の 貴女(ひと)に 渚は今も昔のままに寄せては返す波の音夏の終りの 初恋は遠い昔の夢なのか浜辺に夕陽が 沈む時あぁ、あぁぁ逢いたいなあの日の 貴女(ひと)に 凪(なぎ)の入り江に浮かぶ月影はぐれカモメが波間に揺れてセピア色した 思い出も時代(とき)の流れに溶けて…

  • 紀州の漁師 – 嶋幸二

    紀州漁師の 荒くれ者が逆巻く波をもろともせずに荒波(なみ)を蹴散らし 海原走りゃ船の舳先(へさき)が荒波(あらなみ)潜(くぐ)るケンケン漁師の 魂(こころ)意気 沖に海鳥群(とりやま) 鰹の群は岬男(うみのおとこ)の稼ぎ場所(アオッチャーヤレ) 吠える黒潮 潮岬(みさき)の沖の荒波(なみ)も恐れぬ紀州の漁師(おとこ)今日も沖へと 鰹を追って海鳥(とり)の群集(なぶら)を見つけて進むそれ行け手腕(う…

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