岩本公水

角館・想い人 – 岩本公水

しんしん きらきら 雪が舞う
しだれ桜に 雪が舞う
あの人は 何処(どこ)の町
どんな暮らしの毎日ですか
角巻(かくま)きで 角館(かくのだて) 想い人 想い雪
恋しくて 愛(いと)しくて
今もわたしは ひとりです
しんしんと きらきらと
ああ 雪桜の町

どんなに どんなに 愛しても
抱いてくれない 人でした
こころだけ 抱きしめて
つらい笑顔をする人でした
隠し恋 角館 想い人 ちぎれ雪
許されぬ 恋でした
雪が埋(うず)めた 恋でした
はらはらと きらきらと
ああ 雪桜の町

遠くで 静かに 鐘が鳴る
戻れない恋 告げるよう
あの人を 貫いて
愛の弓矢を放ってみたい
角館 想い人 みだれ雪 燃える雪
かなしみを 貫いて
弓矢こころに 刺さります
しんしんと きらきらと
ああ 雪桜の町

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ふたり舟 – 岩本公水

怒涛(どとう)渦巻く この海峡にもまれはじかれ 流されかけたさんな女に 心のささえあなた私の 舵となり生きて行きたい生きて行きたい 男女(ふたり)舟波も荒いよ 

故郷をあげたい – 岩本公水

春の菜の花 朧月夏は花火と アセチレン秋の紅葉 十三夜冬は雪原に 針葉樹あゝ好きです 北国の四季あゝ好きです 東京の人君は故郷 忘れてないか夢を紡いで 生きてい

みちゆき舟 – 岩本公水

貴方(あなた)を失(な)くして 生きるのはいのちが無いのと おなじです世間の波風 吹こうともつないだこの指 離さない愛が積み荷の… みちゆき舟よ明日(あした)が

千年桜 – 岩本公水

口が重くて 世渡り下手でみんな みんな承知で 惚れたひとなによしんみり らしくもないわあなたの背中が 道しるべ咲いて嬉しい 千年桜なにがなくても 笑顔があれば生

泣きむし橋 – 岩本公水

生まれた時から 決まってたあなたとわたしの 出逢う橋罪と呼ぶなら 罪でもいいの離れたくない 離れない頬(ほほ)に小雨の 泣きむし橋よ抱かれた肩の ぬくみからあな

木洩れ日に包まれて – 岩本公水

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涙の数 – 岩本公水

鳥のように 羽があれば大空飛べるけど背伸びしても 上手には生きては行(ゆ)けないわどれほど泣いたら 明日が見えますかかなしい想い出が また目隠しするの涙の数だけ

遠雷 – 岩本公水

哀しくなると 思い出す夏祭りで買った 蒼(あお)いひよこ大事に大事に してたのに夢みたいに色あせて ゆきました花火の柄(がら)の 浴衣着て待ってたあなたは 来な

回顧の滝 – 岩本公水

山の麓(ふもと)に 流れる絹の滝音せつなく 響く渓谷あなたとの恋 断ち切るための心に誓った 旅なのにあなたを 忘れず 捨てられず愛(いと)しさ憎さが 追いすがる

辰子伝説 – 岩本公水

どうしていますか?あなたお元気ですかわたしは懲(こ)りずふられ旅です永遠の若さ求め龍になった田沢湖(たざわこ)の辰子の伝説(はなし)にしみじみしてます愛はうたか

蛍火の宿 – 岩本公水

我が身焦がして 闇に舞う迷い揺られる恋あかりあなた信じてついてゆくあかりめざして飛んでゆく夢もあずけた 蛍火の宿何度恋して 傷ついてやっと出逢えたふたりですお酒

恋燦華 – 岩本公水

海鳴りないて 荒れる夜は時計の針が むかしにもどる恋は女の 命の華よこの指も 唇も今もあなたの ものなのに波が 波が 波がふたりをあゝ…… ひきはなすガラスの窓

岬 – 岩本公水

涙を赤く 血に染めて海峡越しに 陽が沈む別れの手紙 ちぎる指季節をそむき 雪になる恋すればこそ 追い詰めて愛すればこそ 追い詰められてここは ここは ああ ここ

夜祭り – 岩本公水

ばちのうまさに 見とれて惚れた海の男に 一目で惚れたかがり火 夜祭り 炎の中で二人の目と目が 絡み合うもっと激しく もっと激しく私をめがけて 火の銛(もり)打ち

姫鏡台 – 岩本公水

しあわせでしたか お母さんさび朱色した 姫鏡台化粧もしない 明け暮れにもほつれ髪見せずに 笑ってた面影が やさしく揺れてる元気だしてと 云うように雪国生まれと 

こまくさ帰行 – 岩本公水

あなた宛ての手紙 駅で書いていますさようならのあとは 何を書けばいい好きでした ただ一途に 好きでしたありがとう あなた すべてだったひと泣いてはだめ 迷っちゃ

えんか坂 – 岩本公水

苦労積み荷の 荷車を引いてこの世の 登り下り決めた道なら 男なら夢をヨイショと 持ちあげて涙こらえろ がまんだぜなんだ坂 こんな坂 人生(えんか)坂一と一とが 

絹の雨 – 岩本公水

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冬陽炎 – 岩本公水

おんな一途な 恋だから離れられない 離さないあなたにわたし 見えますかしあわせなのよ わかってと燃えて 燃えてせつない あゝ冬陽炎酔ったふりして 嘘つきを責めて

夕月 – 岩本公水

髪の毛を 切りましたあの人が ふれた髪口紅も 変えました夜汽車の窓に うつしますこれでいいの これでいいのわたしひとりが 泣いたらいいのふりむかないわふるさとが

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