岡ゆう子

浮草の宿 – 岡ゆう子

髪の 髪の乱れを 鏡の前で
直す私は 薄化粧
もしやあなたに 逢えるかと
女ごころの 儚い夢を
抱きしめながら 面影に
縋る哀しい … 浮草の宿

別れ 別れたくない あなたの胸に
顔を埋めた しのび逢い
どうせふたりの 行く先は
辛い涙の 運命でしょうか
叶わぬ恋と 知りながら
炎える女の … 浮草の宿

雨が 雨が淋しく 川面を濡らす
どこであなたは 暮らすやら
酔って未練も 思い出も
忘れられたら 苦しまないわ
今夜もひとり 恋しさが
つのる想いの 浮草の宿

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夢酒場 – 岡ゆう子

お酒におぼれ 弱音を吐いて泣かせて欲しいと 云ったひと男と女の 夢酒場人は誰でも おバカさんわたしでよけりゃ あなたにあげる明日の夢を 叶えてあげる遊んだつもり

恋・恋恋~山の辺の道~ – 岡ゆう子

誰かのものなら なお欲しい恋に一途な 海石榴の市…秘めておけずに 胸の内告げた私は 罪ですか三輪山・山の辺 まよい道あなたを呼べば 風ばかりどんなに好きでも 焦

霧積の宿 – 岡ゆう子

落葉松(からまつ)の 林の中を風が静かに 過ぎて行く恥らいながら うち明けた女心の 胸のうち愁(うれい)を秘めた 夕焼けが小窓を染める 霧積(きりつみ)の宿吐く

羽越本線 – 岡ゆう子

優しさよりも 強さが欲しい…わがまゝでしょうか こんな私ってごめんなさいと 手紙を残しあなた発 こころ乗りかえて羽越(うえつ)本線越後平野を 北へ行く心配性の 

千鳥ヶ岬 – 岡ゆう子

砂に刻んだ 愛の文字波が打ち消す 千鳥ヶ岬辛い噂に 心は乱れ声を限りに 叫んでみても遠く聞こえる 海鳴りばかり夢を重ねた 砂山を波が掻き消す 千鳥ヶ岬むせび泣く

人生ふたり咲き – 岡ゆう子

歩いたこの道 振り向けば秋冬ばかりの おんなの暦それでも私の 隣にはやさしいあなたが いてくれた二分咲き 五分咲き 八分咲きいつか咲きましょ 人生ふたり咲き胸突

女の春 – 岡ゆう子

恋も涙も こころの川に流して生きる せつなさを誰がわかって くれるでしょうかたとえ明日が 辛くとも歩いてゆきます ひとすじに女の春が… 来る日まで胸の谷間に い

北へひとり旅 – 岡ゆう子

あきらめた 筈なのになぜに消えない こころの寒さどこへ行く…宛もなく 夜汽車乗り継ぎひゅる ひゅる ひゅる 海が泣く みなと町夜の函館 流れてひとりうらんでも 

よりそい傘 – 岡ゆう子

ひとりで濡れれば 冷たい雨もふたりで濡れれば 暖かい逢えてよかった あなたに逢えて何故かこころが やすらぐの肩をやさしく 抱(いだ)かれてまわり まわり道する…

九州慕情 – 岡ゆう子

関門海峡 列車で越えてひとり来ました 博多の街へ夜の中洲(なかす)も 天神(てんじん)も遠いあの日の 想い出ばかりいつもやさしい あの笑顔何処に 何処にあなたは

想い酒 – 岡ゆう子

そぼ降る小雨に 濡れながらあなた見送った 夜の駅今頃あなた どうしてますか私のことなど 忘れたかしらあの日と同じ 雨音きいてひとりしみじみ 想い酒あのまま別れに

八尾坂道 風の盆 – 岡ゆう子

愛のかけらか 涙のつぶか八尾坂道 音のまち踊り明かした 女のゆかた燃えたままでは しまえない愛を誓った あの人を忘れ 忘れさせてよ 風の盆かぶる編笠 薄口紅(べ

あなたに雨やどり – 岡ゆう子

街の灯りが やさしく揺れる雨が嬉しい ふたり傘やっと掴んだ この恋を離したくない 離さないこころ預けて 寄り添って私、私あなたに… 雨やどり眼には見えない 絆(

母航路 – 岡ゆう子

わが子のためなら 世間を敵に回す日もある ひとりで母は人生 雨風 波しぶき愛と云う名の 灯台あかり胸にひとすじ 母航路嫁いで誰もが 愛しい子抱いて親のこころが 

しぐれ酒 – 岡ゆう子

雨が濡らした 私の肩を抱いたやさしい あなたはいない今夜も雨ね 逢いたくてひとり来ました 思い出酒場胸の淋しさ…あゝしぐれ酒夢を見たのと 諦めたのになんで痛むの

玄海おんな船 – 岡ゆう子

波の花咲く 博多の湾(うみ)で産湯(うぶゆ)をつかった 勇み肌男まさりと 世間はいうが父娘(おやこ)二代の この玄界灘(うみ)でエンヤコラ エンヤコラ 夢を追う

ひえつき望郷歌 – 岡ゆう子

盆に帰ろか それとも暮れかそれも出来ずに 幾年(いくとせ)過ぎた山に朝霧 椎葉(しいば)の里よ峠の古い あの生家(いえ)に今も住んでる 母ひとり呼べば谷間に こ

津軽の海 – 岡ゆう子

破れ刺し網 繕いながら浜で夢みる 大漁船よ留守の守りは 任せときあんたの海だよ 津軽の海は沖で男を みがいて来され唄は上げ潮 網引く腕も女ごころを 酔わせる人が

浪花ごころ – 岡ゆう子

阿呆は承知で あんたに賭けたなにを今さら 水くさい苦労坂なら 一緒に越えればえやないの惚れたどうしの 相縁奇縁浪花生まれや あんたについてゆく知ったつもりの 浮

うちの亭主(ひと) – 岡ゆう子

嘘も言えなきゃ お世辞も言えぬだけど笑顔が 誰より温かい惚れたよあんた 惚れたよあんた私の支え 宝もの大事な 大事な うちの亭主(ひと)夢を追いかけ 信じる道を

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