岡ゆう子

  • なみだ唄 – 岡ゆう子

    夕焼け空見て 泣いていたあれは十五の 寒い春今日も涙が 夕陽に染まる郷里(くに)を離れた この身には心に沁みる 子守唄母に会いたい夜ばかり 高嶺の花でも 野の花も陰に咲いても 花は花母の励ます 便りを胸に今日も堪えた 目に涙優しさ恋し 黄昏(たそがれ)はひとり寂しい 離れ雲 都の水にも いつか慣れ夜の切なさ 越えてきた明日の光を 夢見て一人今日も舞台の 花と咲く心でいつも 手を合わせ母に捧げる な…

  • 長良川旅情 – 岡ゆう子

    思い出たどり 岸辺に立てば波音瀬音 何語る栄枯の姿 たまゆらに映していずこ 流れ行くああ 長良川 水清し 緑も深き いただきに往時(むかし)をしのぶ 稲葉城ふと手に摘みし 草の花運命(さだめ)といえど はらはらとああ 道に敷く 色哀(かな)し 鵜飼いのかがり いつしか消えて鐘の音(ね)侘(わ)びし 旅の宿きのうもきょうも またあすも幾山河(いくやまかわ)を 流れ行くああ 長良川 水青し 人気の新着…

  • 九州慕情―鹿児島本線― – 岡ゆう子

    鹿児島本線 女の旅に小倉太鼓が 切なく響く車窓(まど)は博多の 街灯かり浮かぶ面影 寂しさ募るあなた逢いたい もういちど恋の 恋の名残りを 心に抱いて 夜空に花咲く 筑後の川に愛を失くした 女がひとり明日は火の国 田原坂越えてゆきたい あなたの胸に罪な笑顔が 愛しくて夜に 夜に焦がれる この身が熱い 噂も途絶える 八代あたり風に千切れる 女の情念(いのち)永遠(とわ)を夢見た 鹿児島はどこか似てい…

  • 九州慕情―日豊本線― – 岡ゆう子

    日豊本線 しあわせ求め汽車に揺られる ふたりの旅路杵築 菜の花 通りすぎ暮れる別府に 湯の街あかりついてゆきます どこまでもあなた…あなたひとすじ 命を燃やす 真っ赤な鉄橋 いつしか越えて潮の香りの 延岡の街遠いあの日の 愛宕山好きと言われて あふれた涙夜に煌めく 街並みが今も…今も心に 残っています 苦労もいつかは 笑顔に変わる未来(あす)を祈った 霧島神宮旅の終着 鹿児島で永遠(とわ)を夢見て…

  • 九州慕情―長崎本線― – 岡ゆう子

    長崎本線 別れの旅は鳥栖を後にし 鍋島の夜ふたり淋しく 飲むお酒好きで添えない 運命(さだめ)に沁みる女ごころの 儚さに燃えて 燃えて身を焼く あの日のように 朝陽が昇った 有明海は愛も干潟の ふるさと鹿島やがて諫早 別れ駅そっと呟く さよなら…あなた白いかもめも 背を向けて泣いて 泣いて明日に 飛び立つように 思い出色した ステンドグラス雨の長崎 終着の駅遠く聞こえる 鐘の音(ね)が今は哀しく …

  • 人生恋酒場 – 岡ゆう子

    雨のしずくが 涙になって窓にこぼれる 止まり木酒場終わった恋だと 知りながらあなたをあきらめ きれなくてひとりグラスの お酒が沁みて行く 別れ話を 言われたあの日悪い夢でも 見ていたようで最後にこの肩 抱きしめたあなたのぬくもり 信じたい揺れるため息 心が痛みます 飲んで寂(さみ)しさ 紛(まぎ)らすはずが飲めばなおさら 寂(さみ)しさつのる涙が待ち伏せ してるからひとりじゃあの部屋 帰れない雨よ…

  • 望郷歌 – 岡ゆう子

    明日(あした)の望みの あてさえなくて今日も一日 過ぎて行く風が冷たい こんな夜涙しずくが 凍りつく故郷(ふるさと)は 故郷(ふるさと)は 雪が 降る頃か 夜明けのホームで この手を握りあの日私を 止めた人ばかね女の 幸せを捨ててしまった あの時にあの人に あの人に ひとり 詫びる夜 星さえ見えない 都会の夜空夢を何度も あたためる声を聞いたら 泣きそうで母に電話も 出来なくて故郷(ふるさと)は …

  • おまえの涙 – 岡ゆう子

    いつも噂に 脅(おび)えてたおまえの瞳を 思い出す奪いきれない 他人(ひと)の花泣いて別れた 雨の町忘れられない 忘れられない おまえの涙男未練が 沁(し)みる夜 つらい恋だと 知りながら止められなかった この気持ちいっそ会わなきゃ 良かったと言えばなおさら 寂(さみ)しくて詫びて足りない 詫びて足りない おまえの涙酒に未練が 潤(うる)む夜 連れて逃げての 一言(ひとこと)が今でも心に まだ残る…

  • 雨の月ヶ瀬 – 岡ゆう子

    染めてください こころも肌もあなた好みの 炎(ひ)のいろに霞(かす)むしぐれの 名張川(なばりがわ)このままふたりを 見のがしてあゝ 逢えば 逢えば道行き年に一度の 雨の月ヶ瀬(つきがせ) 遠くかすんだ 八幡橋(はちまんばし)も今は一緒に 渡れないせめて今夜は 夢の中あなたにまかせて 旅をするあゝ 堕ちて 堕ちて行きたい湯の香流れて 雨の月ヶ瀬 谷で啼いてる 鳥たちさえも春を待つのか 梅の里明日(…

  • 蛍火哀歌 – 岡ゆう子

    綺麗と あなたに言われたい女の未練か 紅をひく蛍みたいに 焦がれて燃えて夢を見ました 幸せでした今日が最後の しのび逢いあなたに逢いたくて 逢いに行く 優しく抱かれた 思い出をたどればなおさら せつなくて蛍みたいね 短い命二人いつかは 別れる運命(さだめ)そっと足音 忍ばせてあなたに逢いたくて 逢いに行く この手につかめぬ 恋ならばお別れするのよ つらくても蛍みたいな 儚(はかな)い恋を胸に抱きま…

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