ふたりで暮らした 街の灯(あか)りが
窓の向こうに 遠ざかる
ひとりひとり旅立つ おんなの夜汽車
涙で綴(つづ)った お別れの
手紙をあなたは 読んだでしょうか…
ほんとはあなたを 恨みたいのに
今も未練が 邪魔をする
過去を過去を振り切る おんなの夜汽車
悲しみこらえて 膝を抱く
わたしの姿が 見えるでしょうか…
ちいさな切符に 夢もあしたも
すべて預けた 旅路です
警笛(きてき)警笛哭(な)いてる おんなの夜汽車
あなたを忘れて 北へ行く
わたしに幸せ 来るのでしょうか…
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たとえ片袖 濡れようと寒くなかった 二人なら恋を失くした 女にはしずく冷たい ひとり傘青むらさきの つゆ草の花によく似た ああ みれん雨愛を信じて 来たけれどい
城を埋めるは 弘前(ひろさき)桜枝垂(しだ)れ桜は 角館(かくのだて)岩手(いわて) 盛岡(もりおか) 石割り桜三春駒(みはるごま)には 滝桜春が過ぎても 小桜
恋の病(やまい)は かかればつらい薬効かない 流行風邪(はやりかぜ)父から盗む 絵図面は本所松坂 吉良屋敷惚れたお方に 役立つならと娘ごころは 命懸け「九十郎さ
これから何を 生き甲斐に生きればいいと 言うのでしょうか貴方を奪って 行く船の霧笛を見送る 北岬まるで心を 読んでるように浜あざみが 風に泣く信じるままに 許し
殿のご無念 晴らすため明日は吉良へ お討入りその目を見れば 隠しても判りますとも 夫婦なら首尾(しゅび)を笑顔で 祈っても別れがつらい 心では「口は達者でも 父
あなたといつか 訪ねた宿を今夜も選んだ 蔵屋敷思い切る気の 旅路のはずが女のこれも 未練でしょうか…宿傘借りて 堀割行けばすすり泣くよな 倉敷しぐれ心の内は 見
最後のメールを あなたに送りさめた コーヒー 淋しくすする言葉も絶えた この部屋のベッドに眠る 私の恋よここは 雪国 湖畔のホテルああ 田沢湖に 陽が沈むあなた
傘をもつ手に ポツリと落ちる恋の終わりの なみだ雨このままあなたに 逢えないのなら忘れさせてと すがりつくみれん…霧雨… 女のなごり雨いつか倖せ 掴めよなんて悲
きれいに咲いて 誰を呼ぶ問えばはじらう 紅ほのか咲くまで待とう 咲いたら逢える今は昔の 春よ恋さくらよさくら くらくらさくら君来ませと 誘うのか 鎌足桜鎌足公(
頬にとまった 雪の華溶けてなみだの 花になる抱いてやりたい その肩を北国生まれの おまえにもちいさな倖せ 来るように…道で誰かに 出逢うたび傘をななめに 傾ける
男の気ままな やさしさに何度も泣いたわ 若い頃涙の数だけ 幸せあげるそんな言葉に また惚れて女の階段 また一歩のぼってゆきます この男(ひと)と世間は噂を する
春は薄紅 花吹雪夏は朝顔 露なみだ季節移ろう そのたびに想いの色は 深くなるおとこ次第で おんなは変わるあなたの花に なりたいのおんなですもの 夢に舞いおんなで
北の窓から 見えるのはネオンで変わる 川の色赤い川なら あの人のぬくもりやさしさ 思い出す青い川なら あの夜の別れに泣いた なみだ川冬の風鈴 風に鳴るチリリンチ
春の陽差しに 化粧が似合うしだれ櫻の 恋ごごろそうよ 私の 大事な あなたどこの 誰より 好きだからいいでしょう そうでしょうこころ 預ける 角館(かくのだて)
暗い番屋(ばんや)に 灯りを点(とも)す明るい女房に なってくれあなたの口説(くどき)に 乗せられました津軽海峡 北へゆくわたしは漁師の かみさんに あゝ なる
泣いて覚えた お酒もあるわ花を咲かせた 恋もある浮いては沈んだ この世川風は今夜も 冷たいけれど夢だけは… 捨てないで…ひとり流れる 人世舟惚れたお方の 面影ひ
ふたりで咲かせた しあわせ蕾(つぼ)み散らす世間の むかい風いいの いいのよ…あなたと あなたとならば涙を笑顔に かえながら生きてゆきます いのち草あなたは無口
いざと云うとき よく分かるわねあなた居るのと 居ないでは何処にいるやら誰といるやら 寂しがり風の音にも 痩せそうなひとり路地裏 あゝおんな草変わりやすいわ ふと
誰が引くのか 海峡線を越えてしまえば 他人と他人あの日あなたと 海へ出た夜の港は 今日も雨片瀬片波 片便りみれんまだ抱く 私です尽くし過ぎたら 男と女誰の文句か
しっかりしなさい 諦めなさい叶わぬ恋です あのひとはそっと私を 叱りつつ明日(あす)にむかって りんと咲く空に両手を 合わせるようにいつも無口な もくれんの花こ