小桜舞子

おんなの四季 – 小桜舞子

春は薄紅 花吹雪
夏は朝顔 露なみだ
季節移ろう そのたびに
想いの色は 深くなる
おとこ次第で おんなは変わる
あなたの花に なりたいの

おんなですもの 夢に舞い
おんなですもの 恋に酔う
抱いて抱かれる 幸せが
素直にさせて くれるから
たった一夜(ひとよ)に おんなは賭ける
きれいな蝶で 翔べますか

秋は錦の 落葉道(おちばみち)
冬は雪降る 石畳
たった一度の この恋は
信じて歩く ふたり道
あなたひとりの おんなになるわ
一緒に生きて くれますか

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つゆ草の雨 – 小桜舞子

たとえ片袖 濡れようと寒くなかった 二人なら恋を失くした 女にはしずく冷たい ひとり傘青むらさきの つゆ草の花によく似た ああ みれん雨愛を信じて 来たけれどい

小桜音頭 – 小桜舞子

城を埋めるは 弘前(ひろさき)桜枝垂(しだ)れ桜は 角館(かくのだて)岩手(いわて) 盛岡(もりおか) 石割り桜三春駒(みはるごま)には 滝桜春が過ぎても 小桜

恋の絵図面取り – 小桜舞子

恋の病(やまい)は かかればつらい薬効かない 流行風邪(はやりかぜ)父から盗む 絵図面は本所松坂 吉良屋敷惚れたお方に 役立つならと娘ごころは 命懸け「九十郎さ

浜あざみ – 小桜舞子

これから何を 生き甲斐に生きればいいと 言うのでしょうか貴方を奪って 行く船の霧笛を見送る 北岬まるで心を 読んでるように浜あざみが 風に泣く信じるままに 許し

堀部安兵衛の妻 – 小桜舞子

殿のご無念 晴らすため明日は吉良へ お討入りその目を見れば 隠しても判りますとも 夫婦なら首尾(しゅび)を笑顔で 祈っても別れがつらい 心では「口は達者でも 父

倉敷しぐれ – 小桜舞子

あなたといつか 訪ねた宿を今夜も選んだ 蔵屋敷思い切る気の 旅路のはずが女のこれも 未練でしょうか…宿傘借りて 堀割行けばすすり泣くよな 倉敷しぐれ心の内は 見

おんなの湖畔 – 小桜舞子

最後のメールを あなたに送りさめた コーヒー 淋しくすする言葉も絶えた この部屋のベッドに眠る 私の恋よここは 雪国 湖畔のホテルああ 田沢湖に 陽が沈むあなた

おんな雨 – 小桜舞子

傘をもつ手に ポツリと落ちる恋の終わりの なみだ雨このままあなたに 逢えないのなら忘れさせてと すがりつくみれん…霧雨… 女のなごり雨いつか倖せ 掴めよなんて悲

おんなの夜汽車 – 小桜舞子

ふたりで暮らした 街の灯(あか)りが窓の向こうに 遠ざかるひとりひとり旅立つ おんなの夜汽車涙で綴(つづ)った お別れの手紙をあなたは 読んだでしょうか…ほんと

鎌足桜 – 小桜舞子

きれいに咲いて 誰を呼ぶ問えばはじらう 紅ほのか咲くまで待とう 咲いたら逢える今は昔の 春よ恋さくらよさくら くらくらさくら君来ませと 誘うのか 鎌足桜鎌足公(

雪桜 – 小桜舞子

頬にとまった 雪の華溶けてなみだの 花になる抱いてやりたい その肩を北国生まれの おまえにもちいさな倖せ 来るように…道で誰かに 出逢うたび傘をななめに 傾ける

女の階段 – 小桜舞子

男の気ままな やさしさに何度も泣いたわ 若い頃涙の数だけ 幸せあげるそんな言葉に また惚れて女の階段 また一歩のぼってゆきます この男(ひと)と世間は噂を する

なみだ川 – 小桜舞子

北の窓から 見えるのはネオンで変わる 川の色赤い川なら あの人のぬくもりやさしさ 思い出す青い川なら あの夜の別れに泣いた なみだ川冬の風鈴 風に鳴るチリリンチ

恋する城下町 – 小桜舞子

春の陽差しに 化粧が似合うしだれ櫻の 恋ごごろそうよ 私の 大事な あなたどこの 誰より 好きだからいいでしょう そうでしょうこころ 預ける 角館(かくのだて)

北の花嫁 – 小桜舞子

暗い番屋(ばんや)に 灯りを点(とも)す明るい女房に なってくれあなたの口説(くどき)に 乗せられました津軽海峡 北へゆくわたしは漁師の かみさんに あゝ なる

人世舟 – 小桜舞子

泣いて覚えた お酒もあるわ花を咲かせた 恋もある浮いては沈んだ この世川風は今夜も 冷たいけれど夢だけは… 捨てないで…ひとり流れる 人世舟惚れたお方の 面影ひ

いのち草 – 小桜舞子

ふたりで咲かせた しあわせ蕾(つぼ)み散らす世間の むかい風いいの いいのよ…あなたと あなたとならば涙を笑顔に かえながら生きてゆきます いのち草あなたは無口

おんな草 – 小桜舞子

いざと云うとき よく分かるわねあなた居るのと 居ないでは何処にいるやら誰といるやら 寂しがり風の音にも 痩せそうなひとり路地裏 あゝおんな草変わりやすいわ ふと

雨港 – 小桜舞子

誰が引くのか 海峡線を越えてしまえば 他人と他人あの日あなたと 海へ出た夜の港は 今日も雨片瀬片波 片便りみれんまだ抱く 私です尽くし過ぎたら 男と女誰の文句か

もくれんの花 – 小桜舞子

しっかりしなさい 諦めなさい叶わぬ恋です あのひとはそっと私を 叱りつつ明日(あす)にむかって りんと咲く空に両手を 合わせるようにいつも無口な もくれんの花こ

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