小南泰葉

藁人形売りの少女 – 小南泰葉

蝋燭(あかり)を消して 願いを込めた
藁の人形 黄色いお人形
親を捨てた夜に観た満月
千切れる手足 足枷はもうない

不幸な少女は 街を抜け出した
床に寝転び 鼠と遊び倒し

いつもと変わらぬ朝を 明日迎えるんだろう
瀕死に少しだけ湧く期待も
きっと裏切られるんだろう 夢燃やして見る星空に

白いレースに 赤い刺繍糸
籠から覗く 藁人形
小脇に黒い猫を抱えて
人気のない街角に佇む

今夜も一人 暖をとりながら
空に浮かんでは消える夢を見る

いつもと変わらぬ朝を 明日迎えるんだろう
瀕死に少しだけ湧く期待も
きっと裏切られるんだろう 夢燃やして見る星空に

腐った果実 むしゃむしゃ食べた
憂鬱な笑顔 コケティッシュな笑顔

少女が消えた 家の食卓に
無駄な光は 一切ないんだろう

Hey mum and dad good-night
Please give me a hug
I pray everynight
Kiss my cheeks, my eyes to lay me to sleep

いつもと変わらぬ朝を明日迎えるんだろう
瀕死に少しだけ湧く期待もきっと
裏切られるんだろうな

Hey mum and dad good-bye
Even though it’s a dream I still have a dream

最期の朝を迎えた少女は笑顔に溢れ
これ以上堕ちる所のない場所に旅立った
終わりのない国へ

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