大木彩乃

  • 足跡 – 大木彩乃

    胸がこんなに締め付けられるのは冷たい答えを選んだから いつからかもう 違う空 見てた 夢を持ち寄り語り明かす夜を打つ北風が楽しかった 想い出に 手を掴まれてしまう 見えない明日にためらうのなら目を閉じたまま歩き出せばいい 裏切るのは この足跡を 信じているから嫌われても 傷つけても 素直に生きたい強い向かい風 髪をほどいた 甘くただよう 冷たい春風に見上げる空が 気持ちよくて いいことだけが 待っ…

  • メリーゴーラウンド – 大木彩乃

    つま先を立てて行こう霧もやがたちこめて そこはパリの街踊っていて 回っていて異国風味の香りのするネオン浴びて あぁ パレードに連れて行ってよ熱が苦しいぐるぐる回る目で笑い続けてるリフレインする私のメリーゴーウランド ガス灯を蝶が舞う石畳 夜にぬれて そこはパリの街踊っていて 回っていて夢遊病者の集いをのせた馬車が過ぎる あぁ パレードに連れていってよ熱が苦しいぐるぐる回る目で笑い続けてるリフレイン…

  • 幻の魚 – 大木彩乃

    幻の魚 釣りに行こうよ丸い月の夕べ囁く梢に驚く君が月に照らされて 幾千年もの光を秘めた石を拾い集めポケットの中にたくさん詰めててくてく歩こう 見てごらん 空の果て星が手を振るざわめきの波の中私の心からあなたの心へと幻の魚 泳ぎだす 今宵も 知らない街へと旅するように地図を広げながら毎日を上手く生きて行きたい 白々と明けていく街の風景遥か遠い夢の果てつないだ手をといてそっと見上げれば幻の魚 唄いだす…

  • 今 風になる – 大木彩乃

    やさしい風が吹くところまでこのまま歩いてみようか忙しく行き交う影を越えて 笑顔作って足踏みしてた日々はもう終わりにしよう街並みもショーウィンドウも素直に憧れたいわ 大人になれない私は今風になるいつでも先走りして迷ってた言葉選んで演じて何も出来ずに背伸びをしてた 私をさらうように風に背中を押されたい 恋に恋して数が勝負と今日まで歩いて来たけど愛してると言える人に自然に巡り会いたい 出会いの中にかくれ…

  • 眠る魚 – 大木彩乃

    滲む指先を裂きながら流れる空を見た雨を呼んで埃残る街を沈めて 漏れる蛇口の水の匂いなぜか懐かしくて色の薄い唇から唄がこぼれる 忘れる瞬間が増えることで深い自由に気付き始めたの もしもあなたが目の前から消えても構わない温もりまで奪う川で私は眠る 冷えた流しに飾りましょう鉢植えクローバー幸せなど見えなかった風に揺れても あふれる毎日も草の露も胸に映るままに振舞えたらいい 暗い真昼の針の調べ近づく雨足に…

  • アパート – 大木彩乃

    こもれ陽が畳に吸い込まれて少し遅いランチにするわボサのリズムを流して 彼がいなくなって 涙はスパイスにかわる料理が上手くなった この部屋は私の色に染まりあの人の匂いも消えた動き始めるニュースに 彼がいなくなって 毎日が枝を伸ばすフレームを替えよう Pa Pa…… 彼がいなくなって 涙はスパイスにかわるあぁ 本当に良かった… 晴れた日は心の向かうままにあなたを思い出して忘れて、また思い出せる 人気の…

  • 雨を待つ五月 – 大木彩乃

    次の駅で終点のレールは続いてる滑る景色に動かない曇り空ガラスに頬つけた路線バスの砂埃時を連れ去ったら止まることない寄せて返すリズムが町を包み始める ただ引きずってたことを全て忘れて濡れた空気が乾いた咽に重く冷たい 錆びた屋根が啼いている雨を待つ五月 青い草を引きちぎり風に投げ捨てた色添える様に咲き乱れてる花も土で汚れている深い皴の老人が俯きすれ違う潮の香りに閉じ込められた町で何を求めているのだろう…

  • すず虫 – 大木彩乃

    すず虫が夕暮れを連れてきたから待ち合わせの駅まで急いだ 溶けていく太鼓が距離を狂わせる頼りない浴衣の私たち 男の子たちは跳ねるように駆けてくからかって追いかけて逃げたい かたぬきに杏飴に射的の的小銭にぎる手のひら滲んだ とりどりの灯がぼやけて続いて本当はあなたしか見えません 恋を連れてきた夏を恨まないように偶然近づく背中に風が踊る胸が揺れるすず虫が鳴く 夏祭りいつか終わる花火の中あなたの指ばかり見…

  • モンペリマイピー – 大木彩乃

    気付いてないのねモンペリマイピー一途なはずの心蝶々のようにフラフラ逃げてく 気付いて欲しいのモンペリマイピーいい娘のフリはおしまいあとは独りで泣いて下さい あの海に七色のチョコレートも同じ想い出もほら 沈んでしまえつりあいの壊れた甘い仕草に息が詰まればどんな夢見るの? 誰か教えてよ 不愉快なコトバモンペリマイピー熱い紅茶をどうぞ真夏の夜は卑猥に深まる すがる様な瞳モンペリマイピー何ももう感じない明…

  • だからもっと – 大木彩乃

    昨夜からずっと止まない雨憂鬱な空 私たちを閉じ込めるワイパーかきけすぼやけた夜久しぶりだね照れるくらい だからもっとキスしたっていいしちょっと隠れて抱きあってふたりをこの夜に見せつけましょうそしてちょっと始まったばかりのようにあなたを感じたら溶けそうな心が光を追い越す 逢うたびに何故か違うあなた探すようにはしゃぎ過ぎてしまうの見慣れた心も時と場所で演じる力付けてゆくわ だからそっとふたりいつまでで…

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