増田俊樹

青い少年 – 増田俊樹

久し振りの連休だろって笑う
電話の向こう燥いでる声は
こっちの事情もお構いなしで
ほんと 変わらないよなあ

あんなに毎日一緒にいたのに
番号さえわからない奴もいて
最初は少しぎこちないけど
すぐ笑いあえるかな

トラブルで残業続きの
ボサボサ頭じゃきっと
キラキラした砂浜は
似合わないけれど

明日はあの海に行こうよ
夏休みみたいだ
真っ赤なビニールバッグ
焦げ付く素肌構わずに
砂まみれになって
空を見上げよう
少年の僕たちに会いに行こう

夕暮れの陽が泣きそうに溶けながら
吸い込まれる細いビルの隙間
窮屈な世界 合わせることも
慣れてしまってたな

思うようにいかないことばかりで
ヒリヒリするたびに
なんだかんだ連れ出してくれることが
嬉しい

明日はあの海に行こうよ
夏の味がするんだ
スイカの形のアイス
たまには携帯も置いてって
さあ 波に飛び込んで
青に漂う
少年の僕たちに会えるよ

ねえ僕たちが
大人になるってこと
自分だけで生きてける事だと
勘違いしてた

さあ今日はあの海に行こうよ
夏休みみたいだ
真っ赤なビニールバッグ
焦げ付く素肌構わずに
砂まみれになって
空を見上げよう
少年の僕たちに会いに行こう

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