吉田山田

線香花火 – 吉田山田

火傷しないでね 今日は風強いから
線香花火を 優しく君がつまんだ

いつの間にか 火はついて
君が夜をこじ開ける
あぁ横顔だけでも良いなんて
情けないくらい 君が綺麗だ

今この花火が散るその前に
伝えられなきゃきっと変われない
燃えて燃えて燃えて赤く光って 灰になれたら
夏が始まる

最後の一つは 君がやればいいよ
ほんの一瞬だけ 細い指先が触れた

燃えて落ちる 流線を
見つめる君を見つめる
あぁこのままでいいかもなんて
情けないよな

友達のままじゃもう窮屈で
だけど壊れてしまうのが嫌で
揺れて揺れて揺れて赤く光って 奇跡みたいな
言葉探した

いつの間にか 火は消えた
燃え落ちずに固まって
あぁ静けさに胸が高鳴って
息をのむくらい 君が綺麗だ

今この花火が散るその前に
伝えられなきゃきっと終われない
燃えて燃えて燃えて赤く光って また風が吹く
コンビニの袋が宙を舞って
二人して夏の夜を駆ける
ずっとずっとこんな日々のこと 忘れないんだろう
夏が始まる
夏が始まる

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