吉澤嘉代子

シーラカンス通り – 吉澤嘉代子

星のあかりぽつんと灯るころ
街は目覚め古代魚のよう動きだす

シャワーを浴びたなら出掛けなくちゃ
赤いハンドバッグ片手にして

あの店で待っている
従順な目で待っている

このルージュに魅せられた
魂もがれた顔のやつらが

わたしきっと天国にはいけない
黒い翼は折れてしまったの

ドラゴンのキスを教えるわ
お空に帰れない黒蜥蜴

ねえ見てみたいでしょう
背中に隠した傷痕を

このヌードに焦れている
魂売った目をしている あなたも

夜明けまで続くショウタイム
踊り子は擦れた目つき
堂々と裸をあらわに微笑む
疲れきった魂喰ってこの街で生きているの
老いるまで踊りつづける
蜃気楼の中で

いまこの街にのまれるまえに生きている証が欲しいの
ただやすらぎに出逢えるならばと魂に動かされている

わたしも

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雨も届かない この海の底珊瑚にからまる 涙の泡122回紡いだ言葉も声にならずにポロポロこぼれた皆をやっかんで突伏して泣いていたよほんとうにずるいのは 誰かのせい

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