古川慎

スピカ – 古川慎

お別れの鐘が近く
今日を笑いに来るだろう
アスファルト濡れた影が
長く僕を写す

いつかきっとその背中は
遠く離れ霞むだろう
それでもいい 君と違う
道は 続いてく

笑っていて夏のスピカ
輝きに見惚れさせて
手を伸ばせば消える幻
叶わないアステリズムで

後悔はないなんて嘘が
零れそうになってから
気づいてしまう 僕たちは
重ならないステラ
刻が過ぎてく

夕立が通り過ぎて
門出急かしてる虹を
後ろ髪引かれながら
潜り抜けたあの日

いつかどこか遠い街で
踊る姿に揺れても
許して欲しい 弱い僕の
譲れないワガママ

絶やさないで夏のスピカ
眩さに溺れさせて
十字の鳥が南へ向かう
空が回したデパーチュア

巻き戻してと願わない
つよがりを抱きしめたら
散らばりそうな 言葉だけ
飲み干して歩いた
刻が過ぎてく

いつか君も見えなくなる
そんな未来に生きても
大丈夫と 立てるように
今日を 忘れない

笑っていて夏のスピカ
輝きに見惚れさせて
手を伸ばせば消える幻
叶わないアステリズムで

巻き戻してと願わない
強がりを抱きしめたら
振り返らない 僕たちは
重ならないステラ

星が流れた

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