久我陽子

ひとり上手 – 久我陽子

ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ

私の帰る家は
あなたの声のする街角
冬の雨に打たれて
あなたの足音をさがすのよ

あなたの帰る家は
私を忘れたい街角
肩を抱いているのは
私と似ていない長い髪

心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ

雨のようにすなおに
あの人と私は流れて
雨のように愛して
サヨナラの海へ流れついた

手紙なんてよしてね
なんどもくり返し泣くから
電話だけで捨ててね
僕もひとりだよとだましてね

心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ

ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ

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