証 – 中村千尋

恋なんてクソッタレさどうせ傷つけ合うならもうこんな気持ち欲しくないや「ずっと一緒にいよう」とかキレイな言葉並べて結局離れていくんでしょ？あなたも同じよ何度も前髪

もしもあの日に戻れたらあなたのこと　強く殴りたい何もしなくていいただそばに居てくれるだけでよかったのにいつでも笑っていた本当のあなたは泣けない弱さを手放せない強

あなたを好きになったのは上手に歌うからじゃないその声が好きだからねぇまた歌を聴かせてよ凍った唇溶かしたいそのためなら何だってできるあなたの心の中の悲しみを雨粒に

約束なんてしなくても家に帰れば君がいて二つ並んだ歯ブラシのように寄り添いあって過ごす夜キッチンに立つ君の邪魔して怒られたり今日何があったとかたわいもない話をしよ

あたしが見つめる横顔は遠くあの子を見つめている苦しいでしょ？痛いほど分かるあたしも同じだから恋の相談でもいいのそばにいられるならあたしは「友達」そう言って何でも

あなたが残した日記今まで開けなかったけれど本棚から　引っぱり出し今夜もう一度読んでみます星の見えない夜はどうしようもなく淋しさ襲う夢でさえあなたにもう会えない毎

カレーライスはママの味キッチンからハナウタが聞こえる美味しくなぁれ♪と楽しげな声夕暮れ時には切なくて今も思い出すよ困った顔で笑いながら「今日はカレーライス」落ち

夢さえなかったら　息するだけで辛い日も泣きだしそうになる　帰り道もなかったけど夢さえなかったら　あたしたちは出会わなかった君はあたしの夢のかけら繋ぎ合わせて　大

退屈な毎日から　連れ出してくれるのは他の誰でもない　自分自身なの明日雨降りだしても　あなたが引き留めてもあたしは旅立つわ　どうかお元気で流されるままに　ただ揺ら

たまには肩の力を抜いて日曜くらいはブラブラしようひとりの部屋は　あたしだけのね秘密の箱よ　邪魔しないでねノーブラサンデー　日曜日には窮屈なものは脱ぎ捨ててノーブ

あなたを乗せた最終電車がホームにすべりこんで溢れる人の波　見なれたチェックのシャツあたしのおでこに手をあてて笑う　「前髪がのびたね」っていつも受話器越しの声　今

まだ寝ぼけた街はやわらかな日差しに包まれて桜色のホームあたたかな風が通り過ぎる始発電車の中手をふっているみんなの顔焼きつけるように見つめるけど涙　滲んでいく大好

二人で見上げた空は深呼吸の色だった一人で見上げた空はため息の色してる飲み込んだ涙の味忘れようと作り笑い自分で選んだはずのさよならがこんなに苦しいなんて泣いて泣い

あなたが残した落し物晴れた青い空も夕暮れオレンジも今はもう悲しいメロディーあたしを苦しめるあなたを選んだ理由は何か分からないけどキッチンに立って何を作るか悩むこ

ごはんはね　美味しい食べるとね　何だか安心するの毎日食べるよ　ごはんケーキはね　美味しい時々どうしようもなく　食べたくなるのふわふわスポンジのにおい「行ってきま

嫌われる前に嫌って壊される前に壊してそうやってきたのさみしくなんかなかった騙される前に騙して閉ざされる前に閉ざしてそれなのにあなた抱きしめないでよ長く伸びた背中

ねぇ先生メガネ外してよそっちの方が似合うわ教科書には書いてないことを教えて欲しいの窮屈な鳥かごなんかに閉じ込めないで制服脱いだあたしはもう子供じゃないよきれいに

はやる気持ち抑えて　ターミナル駅階段登って2日分の荷物と　真っ赤なバスに乗り込んだあなたの写真見つめて　会いたいとつぶやくこの日々がきっとあたし強くする　そう言

ぼんやりと窓の向こう舞い落ちる桜の花びらひまわりの季節数え楽しみだってふたりで笑うあなたは嘘つきだね退屈な白い部屋透き通ってく体を強く抱きしめたさよならの時まで

さとうくんは冴えない子　はじっこの席で今日も寝てるマジックでヒゲ書かれても　きっとチャイムまで気づかないさとうくんは地味目な子　ちっさな声で聞こえないし歩くのも