カタソビ

  • きみのまぼろし – カタソビ

    硬い硬い土を割り芽吹いた草木が いつか必ず咲き誇ると長い長い時をかけ蕾をつける様に憧れてたどれくらい経ったろう 嫌になるくらい粘ったよ それでも変われず「暗い暗いきみは暗い」誰かの言葉が今も蝕むひとひら花びら掴み損ねるたび 躍起になって飛んでは跳ねた伸ばした手のひらすり抜ける薄紅 足元に散らばる願い淡い柔い光が眩しくて目を細めた脳裏の間に間に未だに映るのは きみのまぼろし赤い赤い花が咲く街路樹を横…

  • ブス – カタソビ

    あいつもブス こいつもブス ニキビやばい ふくらはぎ太いあいつもブス こいつもブス 一重の上の絆創膏ブスなりに背伸びしてブスなりに背比べてブスなりに恋をしてブス同士で見張ってる 悲しいよブス 寂しいよブス 聞こえる様に言わないで侘しいよブス 虚しいよブス 心がダメそ 未来は大丈夫そ? あいつもブス こいつもブス 口臭い 脇も臭いあいつもブス こいつもブス 素直なやつはみんなブス男の子ってどんな味?…

  • 大人だって – カタソビ

    出発まであと10分切ってしまいました“帰りたいな”メイクしながら既に数回呟いて次のお休み あと何日なんて数えて絶望ルーティン 段々と段々と日々が薄れて 淡々と淡々と私が薄れて今は何年何月何日? カレンダーめくりたくないよもう いいわ 天気いいね 窮屈な毎日だ 愛想笑い八方向 月給14万円ですAIに愛あるのかい 芽生えたりしちゃってそしたらどうか愛を下さい 私の分もとっておいてあんな夢 こんな夢 い…

  • ODORO – カタソビ

    足元が悪いって分かっててこの道を選ぶあの日の自分の愚かさ幼さを恨んでる何もかも切り捨てて髪振り乱して走る日々追ってるのか追われてるのかそれすら思い出せない正しさが恐かった群れになって笑顔貼り付けてさ上手には生きれないと衝動で道なき道へと駆け出した踊り踊れ棘路 私だけの正しさを誰にも奪われぬよう 強く強く握りしめ踊り踊れ棘路 過ちと傷痕が泥だらけのこの愛を 強く強くするのだろう仕様がないな 仕様もな…

  • 燈りあそび – カタソビ

    「花びらの絨毯を歩く歩く 木陰が撫ぜる道をくぐり進む何にもないからこそ宝探しのような日々夢を描くよりも夢を見ていたいの 大人は子供なの ずっとずっと」宵闇にほら燈を灯せ 一人ぼっちの灯影が揺れる心許ない夜の温度に溶け出す本音が滲んでいく 「鼻歌を口ずさみ猫じゃらしで指揮者気取りこんばんは もうそんな時間 宝探しはまた明日夢を語るよりも夢でも会いたいの子供は大人だね 宝の在処を知ってるわ」暗闇にほら…

  • グッバイ・フォエバー – カタソビ

    久しぶりのあなた 記憶と違ったもっと格好良かった気がしたでも掠れた声とかやっぱり懐かしいけど居心地は良くなかった 元気にしてた? 今何の仕事してる?聞いたってどうしようもないよね一時の気の迷い二人ともそうエンディングの向こうにロマンスは残っちゃない なのに キスしちゃったね まぁいいか 失うものなんて今ないしだから なんだか 会いたくなってさあなたは拒めない 知ってて唆したんだあの頃から狡いまま …

  • 四千年パンチ – カタソビ

    夜もすがら君の声聞きたくなったけれど雨が屋根をたたくから諦めてプルタブに指をかけた喉元過ぎれば熱さを忘れるなんて聞き分け良い子になれたらきっと私死に急ぎそうだわ酩酊イー・アル・サン・スー振り向く意味なんてないよ 遠くまで勢い任せで行こう戻らなくていい 巻き戻らないのが人生の醍醐味未練に浸るには早いよ 単純なリズムで踊って馬鹿らしくなるくらいにけたたましく笑うの 大枚叩いてヘイタクシー眠らない街まで…

  • らんちゅう – カタソビ

    あたし顔の赤い金魚 背鰭尾鰭何ひれ?は白い気ままに泳ぐだけ金魚 仲間はみんな嫁いで行ったあたし売れ残った金魚 逃げ出すチャンス待ってるあたしご乱心の金魚 近所には長生きの亀あたし誰かを待ってる 待ちたくもないのに待ってあたしアナタを待ってる 吐き出す泡は弾けた あたしふくふくのほっぺ金魚 綺麗なスタイルではないのけど愛嬌抜群の金魚 お目が高いヒト待ってるけど あたし本当は海が見たい人工の命だけど珊…

  • ピザ屋のお兄さん – カタソビ

    ワイシャツからチラリズム美味しそうな喉仏長い足はギャルソンエプロンでひらり隠す色男の裏の顔ギャンブラーだってみんな知らないのデートで代打ちさせるちょっとクズ背が高いからどこにいても見つけられる追いかけてばかりなのに悪くない あがり時間まであとちょっと二人きりまであとちょっとピザ屋のお兄さんあたしの彼なのポーカーフェイス決めちゃってお待たせなんて言われちゃって浮かれても 仕方ないでしょ そっけない人…

  • ごめんね、ありがとう – カタソビ

    小さな頃に買ってくれたおもちゃの車や大きなブロック今でもずっと心に残ってるよ子供みたいなしわくちゃの笑顔 少しずつ時が経って老いてく貴方を邪魔に思ったり避けたりもしたこんな時にならないとその大切さに気付けない自分がいた 何度貴方を傷つけただろういつも笑ってくれてたのに今貴方に伝えたい言葉がある今さらだけど ごめんね、ありがとう 貴方と一緒に過ごしたこの家での時間もう一度だけ静かに眠る白い顔がやけに…

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