なかにし礼

真夜中の自画像 – なかにし礼

真夜中にひとり絵をかく
自分の顔の絵をかく
どことなく似てる悪魔に
なおせばさらに似てくる
誰にも見せないこれが俺の顔さ
恋人よお前も見たら石になるぞ
真夜中にひとり絵をかく
醜い顔の絵をかく
諦めそこないの蛇口から落ちる
水滴の音を聞きながら

風吹けば風がうるさい
恋すりゃ恋がうるさい
悲しみよ何故にお前は
静かに眠ってくれない
涙のかわりに俺の頬の上に
一匹の小さな黒い蟻をかいた
その蟻が動きはじめる
顔中一面這いまわる
涙の蟻は耳に忍びこみ
そして心まで降りてくる

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ハルピン一九四五年 – なかにし礼

あの日から ハルピンは消えたあの日から 満州も消えた幾年(いくとせ) 時はうつれど忘れ得ぬ 幻のふるさとよ私の死に場所は あの街だろう私が眠るのも あの地(つち

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