あなたが纏う色は今日に相応しく
ただ飾らない脚が空を切る
靴は凛と鳴っている
私はやがて気付くように歩き出す
ただ木漏れ日の陰のほうを歩く
取り澄ます態度で
埋まらない距離を切り捨てる単位で
この道は遠く続いていく
薄情なようにも
あなたが歩く今日の彩度は、私風情に見合わない
笑う顔は如何様に取ればいい、分からないよ
恋のせいと免れたい、謂れなどないのに
やがて遠くなる彩り
狡いままで、まだ居させて
春めく風に十色ぶんの語り草
夏に解らぬ文色
秋半ば色恋は雨予報
季節は巡り、埋まらないでいたい距離
「あなたが纏う色が映えるなら、遠くなっていいから」
下らない嘘で切り捨てる風だけ
鮮やかなジオラマを歩く
私だけなんだ
鈍る頭身、褪せるようだった
あなたの歩く今日の彩度が、ふと照らす眸子
場違いだったのだ、さがない煩いも照らして
「見られないよ」
そうと言えば、瞑る目も良しとするアイロニー
されば追えぬあの彩り
はるか遠くなるまぼろし
不幸も幸も併せて
濁ってぼかす足先
色彩は遠いまま
足はもつれ
踏み出さなければ
それは知らぬままだったはずの
痛い、光
あなたの歩く今日の最期を辿れますように
花束のよう、あなたの彩った世界の
軽いラッピングで構わない
少しでもいいから
それがための、この足取り
拙い色合いでも許して
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