嗤(わら)っていいのよ 嗤いたけりゃ
涙がとかした めばりのしみ
まるで喜劇よね 道化役者
あのひとにだけは 見せたくない
まるで悲劇よね あのひとなら
花嫁とふたり 連絡船(ふね)のうえよ
愛が遠ざかるわ……
小窓震わすあの霧笛は
かえらぬ夢を 乗せて行く連絡船(ふね)
夜のむこうへ いってしまう
あなた…… あなた……
陽気な歌でも唄ってよ
今夜は私がおごるから
しんみりしないでおねがいよ
いつもの調子でさわいでよ
嗤っていいのよ 嗤いたけりゃ
みんなにお止(よ)しと いわれたのに
まるで喜劇よね 歳もわすれ
あのひとのなかに 虹を見たの
まるで悲劇よね 死ぬことさえ
できないでひとり 酔いどれ唄
あ……
ン……
心配しないでだいじょうぶ
泣くのもつかれてしまったわ
そんなに酔ってはいないわよ
ねえもすこしいさせて
始発……まで……
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