さユり

それは小さな光のような – さユり

僕だけが見てた
君のこと
過去も未来も
かなしみもよろこびも
全て

オトナになるってきっと
優しくなる事だと信じていた
子供の頃の僕のままに

君のこと守りたいと思う
暗闇から目覚めても
僕を待ち受けてる彼方で
二人を隠したこの街に
誰も知らない雪が降っていた
君は僕の胸に刻まれた
一番深い傷跡のようで
君が笑うこの世界の歌
取り戻すよ

どの部屋の時計も
少しズレていてさ
僕らはいつも
言葉を掛け違う歯車

ひとりぼっちで泣いた
ヒーローごっこ
伸ばす前にくじけた
両手で君の頬に触れた

君のこと壊したいと思う
世界は夢の狭間で
黒い祈りを孕んで
大事なものだと撫でていた
優しい指がねじれてゆく
僕はただ僕のために
力なきこの手を
微かな輝きの方へ
もがいてみる
君の歌う未来へ
導いてよ

守りたいと思う
まぎれもなくあたたかい場所が
あることを信じてる
寂しさに喰われた優しさが
白い雪に埋もれて行く夜
君は僕の胸に小さな火を灯す
古い傷跡のようで
微笑んでよ
この世界の暗闇から
目覚めてゆく光のような
君のうた

僕だけが見てた
君のこと……

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