花咲ゆき美
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雨の港駅 – 花咲ゆき美
忘れてくれと あなたの声が途切れ途切れの 汽笛(ふえ)になるまるで私の 心のように雨にうたれて 啼く鴎あの日別れた 終着駅は線路も途絶えた 北の町風がひゅるひゅる こころにつき刺さる空がひゅるひゅる 涙を凍らせるあなたに逢いたい… 港駅 海を渡って 吹き込む雨が未練捨てろと 泣きさけぶ傘を持つ手を 優しく包み寒くないかと 言ったひと行く手阻んだ 運命(さだめ)の海峡(うみ)に噂も消されて 波ばかり…
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お店噺し – 花咲ゆき美
どしゃぶり雨に 駆け込むお店「しばらくぶりね!」と ママが言うさよならしたのよ あいつとはひとりの暮らしも いいものよ…そんなつよがり 気取ってみても バカねつらくってさ 寂しくってさびしょ濡れからだを 温めるひともない 何(なん)にも言わず マイクを渡し「歌でも唄う?」と ママが言うふたりで通った ママの店ひとりじゃなんだか 来れなくて…春の稲妻 舗道を染めて バカねつらくってさ 寂しくってさ溜…
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愛という奇蹟 – 花咲ゆき美
振り返ればいつだって あなたがいてくれた信じていたそんな日が ずっと続くと涙に濡れた 私の心優しい笑顔で照らして 包んでくれた同じ時代に 同じ地球(ほし)で 二人生まれて同じ想い出 同じ場所で 刻んで行く今気づいたの それは愛という奇蹟 悲しい時つらい時 あなたがいてくれた握った手の温かさ 忘れないから出逢ってくれて ほんとにありがとうあなたと過ごした時間は 私のすべて同じ未来と 同じ夢を 二人描…
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冬岬 – 花咲ゆき美
冬の夕日が 海に沈む時だるまみたいに 見えるからだるま夕日と… 呼ばれるの あの日と同じ… 冬岬想い出を 辿る旅です別れても 好きよと 叫ぶ声潮風(かぜ)に 千切れる落ちて行く 燃えながらふたつの太陽が重なって 消えてゆく 尽きてゆく… 冬の海 涙も凍る… 冬岬この心 帰るあてなくあのひとに すべてを 投げ出して生きてきたのに抱かれても 寒いだけふたりの運命が溶かされて この命 尽きてゆく… 冬の…
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フォーエバー・マイフレンズ~永遠の友よ~ – 花咲ゆき美
大人なんかに わからない赤いくちびる 噛みしめた恋の悩みを 打ち明ける相手さがしてたクラスメイトと 放課後にこれは秘密ねとささやきあったのあれは遠い 夏の終わり…誰も彼もが たどる若い季節よ甘くにがく なつかしくて誰も彼もが そしていなくなったのつらい夜は 瞳 閉じて 逢いたいフォーエバー マイフレンズ 古いアルバム こぼれ出す海の写真や バス旅行わざとふざけた あの頃がとてもまぶしくて二度と帰ら…
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純情みれん – 花咲ゆき美
歩道橋から 冬の星座 手を伸ばし君に獲(と)ってあげるよと あなた笑った子供のような そんな遊び うれしくて時よどうか止まってと わたし祈ったいまは 木枯らしが 吹き抜ける 失くした恋にけがれなき 純情が いとしい…あなたに 逢いたい せめて夢でも壊れて 気づくの 愛の痛みに あれから幾度(いくど) 別な恋も したけれどあなたほどのあたたかさ 感じられない夏のいたずら 通り雨の 人ばかり誰も心許し…
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雪窓 – 花咲ゆき美
窓に風花 散る夜に別れの言葉 告げた人信じられない 手品みたいに春を見送り そして冬心途切れたなら 愛は死ぬのですか指が髪が胸が 今もさがしてるのあなた恋しい 肌が恋しい涙凍るの 雪窓 灯りともして 街路樹がひとりの暮らし なぐさめる去年あなたに 編んだマフラー巻けば匂いが からみつく心途切れたまま 愛がここにいるの部屋の鍵も傷も 何も変わらないのあなた恋しい 肌が恋しい熱い吐息の 雪窓 時を刻ん…
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あなたがいるから – 花咲ゆき美
想い浮かべる 未来には傍にあなたが 見えなくて指をどんなに 伸ばしても二度と帰らぬ 遠い人愛したことを悔やんでませんあなたがいるからあなたがいるから傷を忘れて 笑顔になれたのあなたがいるからあなたがいるからけして涙なんか 見せないわ 寒い都会の 片隅でめぐり逢えたの あの日から恋と信じて 捧げても一人芝居と わかったの愛したことを悔やんでませんあなたがいるからあなたがいるから空の青さが 心に沁みた…
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去りゆく人に捧げる愛は – 花咲ゆき美
鏡に映る あなたの瞳遠くを見てる 旅人の色抱かれた胸で 別れの気配深まることを 感じていたのいいの いいのよ これが最後ね去りゆく人に 捧げる愛は大人のふりで こらえる涙去りゆく人に 捧げる愛は震えて告げる ありがとう いつかはもろく 崩れる心ほんとは私 知ってたはずよ時計の針を 戻してみても思い出たちの セピアの遊びいいの いいのよ 夢を見たのね去りゆく人に 捧げる愛はひとりで明日 生きてく勇気…
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恋樹氷 – 花咲ゆき美
氷のホーム 無人駅どこまで続く 白い道あなたと別れ あの日から心はいまも 冬の旅失くした愛の 虚しさにきりきり胸が 凍(い)てつくの哀しみよ 追わないで北のさいはて 恋樹氷 ひとりのホテル 広すぎて洗った髪も 冷たくてあなたの顔が やさしさが鏡の中に よみがえる思い出だけが 渦巻いてきりきり胸が すすり泣く哀しみが 溶けないの抱いてください 恋樹氷 この世の汚(けが)れ 消すように雪また雪の 銀世…