眞千賀子

  • しぐれ宿 – 眞千賀子

    傘を差しても 裳裾が濡れるあなたに見せよと 選んだ着物すすり すすり泣くよな せせらぎに迷いながらも 渡る橋今宵一夜(ひとよ)の 切ない逢瀬隠してください しぐれ宿 ひとり飲んでた あなたの胸に何にも言わずに 抱き寄せられていつか いつか迷いも 消えてゆく罪は私が 背負います今宵一夜に 女の命尽くして悔いない しぐれ宿 離れられなく したのはあなた抱かれた余韻に 雨音しみるほんの ほんの束の間 ま…

  • 八王子音頭 – 眞千賀子

    緑ゆたかな 多摩丘陵は川もあります 滝もある桑の都の 多摩織物はとっても着心地 いいかもね八十八景 八王子まだまだありますいいところ 八王子 登山客数 どこより多い霊気満山 高尾山ミシュランガイドで 星三つ天狗もどこかに いるかもね八十八景 八王子まだまだありますいいところ 八王子 粋な花街 黒塀(くろべい)通り古い伝統 守ってるそぞろ歩けば ユーロード出逢いと発見 あるかもね八十八景 八王子まだ…

  • 海峡の駅 – 眞千賀子

    風がうねる 海峡の街ひとり佇む抱えきれない 哀しみをここに捨てにきたの鴎さえも 凍え啼いてる明日も見えない 吹雪のなか二度と 二度と 戻れないあなた 今も 恋しい…あぁ…あぁ こころ 寒い海峡の駅 離さないと 言ったあの人信じたかった弱いわたしを 風が打つ過去は捨ててゆけと噂さえも こわくなかった命燃やした はずなのに逃げるように 飛び乗った最終列車 哭いてるあぁ…あぁ 波も 凍るさいはての駅 岬…

  • 月の雫 – 眞千賀子

    この黒髪も 紅ひく指もみんな あなたを愛して泣いています月よ教えて 散ると知りつつ燃えて咲いてる 花の運命(さだめ)を焦がれ待つ夜は吐息せつなく 死ぬほど長い逢いたくて 逢いたくて月の雫 頬つたい 消えてゆく この襟足も 胸のほくろもみんな あなたを愛して呼んでいます月よ伝えて 夢と知りつつ抱かれた一夜(ひとよ) 千夜の思い焦がれ鳴いてる蝉は我が身か ふたりの恋か恋しくて 恋しくて月の雫 青白く …

  • 睡蓮の花 – 眞千賀子

    水面にただよう 雪のような花指差し君だと 優しく言ったひと酒場暮らしの わたしだけれど誰にも負けない まごころだけはあなたに咲きたい 睡蓮の花 花も咲かない 都会の隅で明日を信じて 笑顔で生きてきたエプロン姿と 小さな家がわたしのほのかな 夢だったのよのぞみはしません 睡蓮の花 どんなにつめたい 涙の池も清らな花には 必要だよと微笑むあなたが わたしの命力の限りに 愛してゆくわあなたに咲きたい 睡…

  • 心宿 – 眞千賀子

    出逢いと別れの 人生は涙と笑いの 心宿せつなく 胸を締め付けるあなたの やさしさ欲しいのよ離れないでね 離さないでねうわべの 愛は嫌だから 実らぬ恋だと 知りながら二人で来ました 山の宿湯上り 化粧の姿見があなたの 浴衣にからみつく忘れないでね 離さないでね今夜も 夢を見たいから やさしく抱かれて 夢に酔う最期の別れの 隠れ宿未練の 迷いを断ち切ってあなたの 面影捨てて行く泣かせないでね 笑顔でい…

Back to top button