白神真志朗
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バイバイ – 白神真志朗
諦めの悪い私をいっそ強く拒絶して格好のつかない自分を見ないですむから 一人になったら自然に涙を流したりしてそんなの一週間も続かないよきっと大丈夫だよ そんなこと思ってない私の本心じゃない見透かした様に笑ったあなたが少し嫌いだ あと十秒数える間に覚悟を決めてよ私の為に傷ついてよ目の回る様なスピードで回るこの世界で立ち止まってなんかいられないの困ったような顔で言ってよバイバイバイバイ 優しい言葉の裏側…
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共犯者 – 白神真志朗
明日も明後日もずっとなんて思った時に終わるよ不意に襲った寂しさを埋めて 散々愛の言葉を吐いて素敵な友情だと言って最低な関係を砂糖で覆い隠して舐めてるんだ 許せるものが増えたなんてさものは言い様 ものわかりいいよ?なんで少し甘えただけで白けた顔で目を逸らすの 共犯者の筈でしょ少しくらい許して目新しくて気が浮ついて口が滑ったんだ共犯者になったら明日も明後日もずっとなんて思った時に終わると言ったのは君だ…
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スガタミ – 白神真志朗
鏡の中を覗いているみたいになんでもわかりあえると思っていた言葉にしなくても裏腹な態度もあなたの愛を確かめる術なんだよ どうせ人は皆違うとわかった気になるのは容易いけどあなたの心は余りに遠いな 繋いだ手と手はこんなに触れているのに伝わるのはあなたの諦めだけ目を逸らしていたらこんなに離れてしまった鏡向こうの世界よりもっとずっと遠く初めて会ったあの時よりもっとずっと遠く 遠くへ 鏡の中のもう一人の私「そ…
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擦れ違い – 白神真志朗
ただのいい人では居たくなくてあなたの為に必死で慣れないことをして火傷してみたり思ってもないこと言ってみたり 毎日朝から夜半まで凄いねって褒めてくれるけどあなたの特別になれない なりたい手を握りたい 上手く笑えない 隣に座っていたって心の行き先を知らない知りたい 触れたいあと1センチが越えられない 擦れ違いあれもこれも聞いて魅力的になろうって擦れてないと大人になれないかなって夜を飲み込んで 追いかけ…
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1LDK – 白神真志朗
枕に顔を押し付けてあなたの残滓を吸い込んだ少し溢れて頬を伝った消えていくだけの面影と窓際に置いたハーブがただ枯れるのをじっと待っている あの日から時間が止まったままのこの部屋を私の日常が少しずつ侵していく捨てられない思い出狂ったままの時計にも薄く埃が積もる粉雪みたいに 春を待たずにこの街を出よう手を繋いだ駅前の並木もフェンス越しのグラウンドもやがて色を纏うから春を待たずにこの街を出よう思い出から目…