白神真志朗

擦れ違い – 白神真志朗

ただのいい人では居たくなくて
あなたの為に必死で
慣れないことをして火傷してみたり
思ってもないこと言ってみたり

毎日朝から夜半まで
凄いねって褒めてくれるけど
あなたの特別になれない なりたい
手を握りたい 上手く笑えない

隣に座っていたって
心の行き先を知らない
知りたい 触れたい
あと1センチが越えられない

擦れ違い
あれもこれも聞いて
魅力的になろうって
擦れてないと大人になれないかなって
夜を飲み込んで

追いかけてみたけど
あなたは反対のホーム
映らない私の涙を拭って
今日も乗り換えを急いだ

いつか出会った頃の私なら
もう少し違う表情
見せてくれていたりしたような
もう思い出せはしないけど

こんなに好きだって言っているのに
はいはいって流して
私の特別なんだよ なんで
わかってくれない そのつもりがない

向かい合わせになったって
あなたは私を見ていない
なりたい なれない
あなたの想いのその先の誰かに

帰り道 偶然装って
声をかけてみました
「このあと時間はありませんか?」
「大丈夫だよ、少しくらいなら」
胸が痛くなるだけ
やめておけばいいのに

擦れ違い
あれもこれも聞いて
魅力的になろうって
擦れてないと大人になれないかなって
夜を飲み込んで

追いかけてみたけど
あなたは反対のホーム
映らない私の涙を拭って
今日も乗り換えを急いだ

また明日ねって
笑って別れて
一人きりで泣いて
だけどきっと明日も
あなたに会えたら
それで私はきっと
生きてゆける
そんな気がしているんだ

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