窓に汽笛が しぐれる夜は
口紅(べに)がぬれます こころもぬれる
酒のグラスを 置いた手で
痩せた肩だと 抱いたひと
夜の港は 今日も雨…
箸の袋で たたんだ鶴を
うしろ姿の あなたは飛ばす
君にしあわせ あげるよと
嘘をわたしに くれたひと
泣いたあの日も 雨でした
不幸なじみの 女の胸に
夢はいつ咲く 止まり木ぐらし
黒いコートの 襟を立て
雨の夜更けに 消えたひと
夜の港は 今日も雨…
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あなた追いかけ 降り立つ駅はしぐれも泣いてる 北の町「おじさん お酒は熱くして…」身体(からだ)じゃないの 心が寒い逢ってどうなる ものではないがせめて聞きたい
春夏秋冬(はるなつあきふゆ) 風受けて涙と 越えた 九十九道(つづらみち)まだまだだけど まだだけどあなたの笑顔で 頑張れる愛縁坂は 二人坂並んで 一歩 また
浜風吹くたび 稲穂も揺れてだんじり囃子に 心が躍る法被(はっぴ)にアイロン かけながら今年も 無事にと 祈るのよ世界で一番 かっこええよ男らしさに 惚れ直す だ
あなたの胸に 抱かれると春の匂いが してきます眠れぬままに 涙をながしたつらい夜も あったけど逢えてよかった……めぐるしあわせ 女の夢ごよみあなたの愛の 陽だま
飲ませて ごめんと 言うあなた酔っても いいのと 言うわたし舟宿の 濡れて夜更ける 思い出枕夢を分けあい 別れる朝は涙しぐれが袖に降る男は 意地だと 言うあなた
仲のいい夫婦を 世間ではおしどりのようだと 言うみたいあなたに惚れてあなたに嫁ぎ 名前が変わる金木犀(きんもくせい)の 花かおる今朝はふたりの 秋日和まぶしげに
言い訳ばかりがめだちますまごころ一つほしいのにあなたはわたしの 希望の星よ涙にくじけず くじけずにきょうまで信じてきたのよ あなたの愛を成り行きまかせでどうする
銀杏並木(いちょうなみき)に 噂のつばめが飛んで恋人通りには ネオンの花が咲く雨の中二人で 頬よせて濡れてゆくランラランラン 大阪大阪 夢降る街よわたしにくださ
ひょんなことから ひとの縁あとの人生 決まるのね長い一生 あなたとならば笑顔取柄の 女になれるついてゆきますついてゆきます 夫婦花あかりいいのうわべは 不器用で
頬を優しく 濡らすのは雨も吐息の こぬか雨添えぬあなたと 何故あきらめる信じなさいな 自分のその目ひとり大阪 道頓堀の…灯が叱る世間隠れに 生きる身の想いかなわ
水に七色 ネオンの街はお伽ばなしの しあわせばかり雨が降るのに 傘もないすがるあなたの 胸もない夜の… 夜の大阪 片恋しぐれいつか一緒と こころに決めた夢はうた
風がひゅるひゅる この胸泣かす波が素足に 絡みつく愛する男性(ひと)と 別れたら脱(ぬ)け殻(がら)なんです 女のこころひとり旅する 恋路ヶ浜は頬にみれんの 砂
今日から俺の おまえだと照れた眸をして 云うあなたいつも倖せ この手に遠いこんな私で いいのならすみれ草… すみれ草…咲かせてください その胸で世間の風の 冷た
初めて履いた カンジキに足を取られて 道に這(は)うなんでこんなに 荒れるやら津軽 地吹雪 雪嵐(あらし)惚れたあなたの 後を追う女のこころを 通せんぼ行くなと
好きになるんじゃ なかったと泣いて手を振る プラットホームさよならね さよならねふたたび逢えない 人なのね汽車がゆく 汽車がゆく…赤いランプに 涙が走るつらい気
京都はいまごろ 雪ふる頃かあなたは大義に 身をすてるあの日歩いた 祇園の小路(こみち)逢いたくて 逢いたくてあゝ横須賀は…心が揺れて 夜明けです今でも聞える 維
あなた忘れる はずなのになぜか面影 追いかける雨の木次よ 神話の里よ滝の瀬音を 聞きながらみれん飲み干す 旅の宿いつかあなたと 来るはずの横田 亀嵩(かめだけ)
氷雨が窓に 降る夜は女の時計が 昔にかえるあれほどうらんで 泣いたのにあなた飲んでた お湯割り酒をひとくち ホロリふたくち ホロリ…想い出あいてに 飲んでますお
ひとりぼっちの 淋(さみ)しさに涙ほろほろ こぼれ月しあわせさん しあわせさん私あなたに 貸しがある大事に 大事に してたのになんで逃げるの この手からふたり夜
空の徳利に 待宵草(まつよいぐさ)を一輪挿した おんなの想い手酌に酔うころ あなたは気づく消えたこころの 花灯り恋の裏木戸(うらきど) キチリと閉めりゃ花は無口