破れた障子を すり抜ける
潮風(かぜ)が心に 沁みる夜(よる)
今夜もひとり 帰らぬ男(ひと)を
浜の酒場で 待ち詫びる
飲めば飲むほど 夢に酔い
涙ぽろぽろ 涙ぽろぽろ 片割れグラス
揃いのグラスを 傾けて
肩を抱かれて 飲むお酒
しゃがれた声の 憎まれ口が
今じゃこんなに 恋しくて
酔えば酔うほど 寂(さび)しさに
浮かぶ面影 浮かぶ面影 片割れグラス
霧笛が啼くたび 振り向けば
どこか似たよな うしろ影
おんなの明日(あす)を 預けた胸が
憎い愛しい 零時前
飲めば飲むほど 夢なかば
愛に逸(はぐ)れた 愛に逸れた 片割れグラス
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