五代ショウ
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長崎慕情 – 五代ショウ
途切れ途切れの 噂を追って流れ流れて あなたの故郷(こきょう)けむる小雨(こさめ)の オランダ坂を濡れて歩けば 未練が沁みる命ぎりぎり もうこれ以上…逢いたい逢えない 長崎のひとよ 遠く聞こえる マリアの鐘に涙ひとすじ 流れて落ちるいつか一緒に なろうと言った罪なあなたと 神戸の灯かり夢もちりぢり おんなの胸に…あの日が恋しい 長崎の夜(よる)よ 別れ言葉が 刺さったままの今に割れそな ビードログ…
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愛は氷河のように – 五代ショウ
ほこり被った 窓辺のギター奏でた季節が 色褪(あ)せてゆく甘えたがりのおまえ 無口にさせた俺の背中に 別れの足跡…さめた視線の その先におまえは何を 見てるのだろう愛は氷河のようにあぁ あぁ あぁ… 崩れてゆく 部屋に積もった 別れの理由(わけ)をおまえの涙が 凍らせたまま冷えた身体(からだ)を重ね しのいだ寒さ過ぎたあの日が 幸せだったと…さめた口づけ 交わしてもおまえの心 戻せはしない愛は氷河…
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奥越雪の火祭 – 五代ショウ
根雪に埋もれた 勝山城下清き流れの 九頭龍(くずりゅう)河原静かに顔だす 猫やなぎ北風春よぶ 左義長祭蝶よ花よ 花よのねんねと大擦(だいずり)太鼓の バチが舞う 粉雪舞いとぶ 街仲通りお国自慢の 櫓(やぐら)が並び横笛三味線 鉦(かね)太鼓寒さ蹴散らし お道化て跳ねる蝶よ花よ 花よのねんねと競って打込む バチさばき 伝統奇祭が 静かに引けど今だ覚めずに 心が燃える月日変われど 春見えず雪雷(せつら…
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中州悲恋街 – 五代ショウ
出口の見えない 恋はごめんだあたしが女で あんたが男それだけだろたったそれだけ…那珂川(なかがわ)に 映る迷いの口づけ水面はただ 見つめている明日(あす)を失くした 幻最後に… 抱いて中洲悲恋街 靴擦れをした ヒールを捨てて似合っているよな 似合わないよなあたしらしい生き方するさ…好いとうよ あんた優しすぎる人バカねこんな 女のため夢は捨てたら いかんばいさよなら… あんた中洲悲恋街 沈まない ネ…
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片割れグラス – 五代ショウ
破れた障子を すり抜ける潮風(かぜ)が心に 沁みる夜(よる)今夜もひとり 帰らぬ男(ひと)を浜の酒場で 待ち詫びる飲めば飲むほど 夢に酔い涙ぽろぽろ 涙ぽろぽろ 片割れグラス 揃いのグラスを 傾けて肩を抱かれて 飲むお酒しゃがれた声の 憎まれ口が今じゃこんなに 恋しくて酔えば酔うほど 寂(さび)しさに浮かぶ面影 浮かぶ面影 片割れグラス 霧笛が啼くたび 振り向けばどこか似たよな うしろ影おんなの明…
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おふくろの手 – 五代ショウ
夕焼け空を 見るたびに子供の頃が 蘇(よみがえ)る生意気ばかり 言っていた昔を 今は悔やんでるああ こんな日はいつも一番恐くて 優しかったおふくろの手を 思い出すのさ褒める時も 叱る時もありったけの愛を込め包んでくれたね あの手を 忘れない 喧嘩を責める 訳じゃなく負けても泣いちゃ ダメと言う転んだ時は 立ち上がり進めばいいと 笑ってたああ これからは俺がこんなに弱くて 皺だらけのおふくろの手を …
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三日月ララバイ – 五代ショウ
廊下に響く 靴音が隣の部屋で 立ち止まるお前じゃないと 知りながら心の隅で 期待した三日月ララバイ ララバイ寂しい胸に 突き刺さり今夜も 眠れそうにない馬鹿だな俺は 馬鹿だよな自分で捨てた 恋なのに… 悔やんでみても 遅いけど甘えてばかり いたんだな残していった 合鍵がチリンと鳴った 気がしたよ三日月ララバイ ララバイ寂しい横顔(かお)に 見えてきて今夜も 眠れそうにない今頃どこに いるだろか幸せ…