結城佑莉

蛇 – 結城佑莉

雨音 正午 目を覚ました
鼠這うような衣擦れ
明かりひとつ消したってさ
何にも見えやしないさ

僕らはみな一匹ずつ
体に蛇を飼っている
その色を 艶やかな鱗を

君が殺してよ 殺してよ
それがいちばん気持ちがいい
破いてよ 破いてよ
それが結局手っ取りばやい

明る日 正午 目を覚ました
鵺の鳴くような大往生で
各々 手前のことばっかさ
構っていればよかった

なんかに酔ってでもいないと
目が覚めず困っている
その平手を 一番エグいのをもう一丁

君が噛ましてよ 噛ましてよ
それがいちばん気持ちがいい
腐してよ 腐してよ
それでみんなハッピーで終わり

スカスカの薮のなか
無遠慮に弄った
バレバレの嘘を吐いた
それだって君のせいだ

スカスカの薮のなか
その目だけ光っていた
君のことだから分かった
真っ白な牙を剥いた

君が殺してよ 殺してよ
それがいちばん気持ちがいい

破いてよ 破いてよ
それが結局手っ取りばやい
腐してよ 草してよw
それでみんなハッピーで終わり

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