星はまたたく 夜ふかく
なりわたる なりわたる
プラットホームの 別れのベルよ
さよなら さよなら 君いつ帰る
ひとは ちりはて ただひとり
いつまでも いつまでも
柱に寄りそい たたずむわたし
さよなら さよなら 君いつ帰る
窓に残した あの言葉
泣かないで 泣かないで
瞼にやきつく さみしい笑顔
さよなら さよなら 君いつ帰る
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思いかなわぬ 夢ならば何故に咲いたぞ 乙女の胸にあの日から 人知れず咲いた花ああ 切なきは 女の恋の曼珠沙華君を見ぬ日の 苦しさは燃える心の 砂漠の果に誰を待つ
去年迎えた 誕生日に赤いダリヤの花を飾りふたりで 楽しく祝ったのも この部屋よわずか一年瀬の 月日の影さだめの糸の 悲しさは待てども来ぬ君よせめて想い出の あの
森の都の 花乙女月に掉(さお)さす 広瀬川若きひと夜の 恋ごころ仙台 仙台 なつかしや夏の祭は 七夕に星も逢瀬の 笹の露君と歩みし 思い出や仙台 仙台 なつかし
派手に咲いても ダリヤの花の露の涙を 誰が知ろ何故に消えるぞ 女の夢は夢よ 返れよ もういちど道は二筋 願いはひとつ恋は苦しい 花うばら女ごころを 哀れむように
青き真珠か 花かながれくる光よいまも昔の ままに澄める空の月よ ああやさし君の 愛の言葉音無くささやきわれを濡らす 月の光消ゆる涙か 露かくもりなき光よ呼べど返
たそがれのそよ風に よせて歌うわが胸の うた哀しこゝろの うた哀し吹けよそよ風 やさしい風よお前と共に歌う 私のうたよなつかしいのそよ風よ 遠い春の薔薇のいろ
お逢い出来ぬと 知りながら柳かぞえて また泣いて今日も銀座を 行き帰り青い灯赤い灯 チラチラと燃えて東京の 夜がゆく街のサロンの 小窓から肩を並べて 見た夜を想
このまま お別れしましょうあなたの 言葉のままダリアの 花びらさえも恋の時すぎりゃ 色はさめるああ さめた後からいくら 泣いて 泣いて 泣いてみたとてかえらぬ
ああ あの人と別れた夜はただ何となく 面倒くさくて左様ならバイバイ 言っただけなのにフランチェスカの 鐘の音がチンカラカンと 鳴り渡りゃ胸は切ない 涙がこぼれる
君に逢ううれしさの 胸に深く水色のハンカチを ひそめる習慣(ならわし)がいつの間にか 身にしみたのよ涙のあとを そっと隠したいのよ月影の細道を 歩きながら水色の
空になる凩(こがらし) 雨戸うつ吹雪冬の夜は 嵐に更けてゆく思い出の窓辺の 青い灯火(ともしび)も浮世の嵐に 消えてゆく忘られぬ 思い出なつかしい昔あの日が何時
星が招くよ 南進の瞳かがやく 乙女鳥指さす彼方 憧れの島は真珠の 波に浮く胸にみどりの 風うけて遠く友よぶ 乙女鳥御朱印船の 船唄をふけて偲ぶか 紅い月仰ぐ日の
かわいいあの娘はそよ風に夢みるバラ娘おしゃれな蜜蜂 ひと目見て心もそゞろに 声かけたこちらお向き青い空の下で 恋を語りましょう君のえくぼ とても素敵ですねたのし
秋風さむき旅ごろも故郷たずねて来て見れば父母居まさず 我家は荒れて夢の小草(おぐさ)に虫が啼く幼きむかし 童(わらべ)らと笹舟うかべし いささ川我名を呼ぶごと
恋の乙女の 純情は夢もきれぎれ 泣きぬれて消えぬ思いに 身を嘆くほんとにわたしが お好きなら好きと一言 聞かせてよ月も片割 片恋の運命(さだめ)かなしく しのば
別れともなき 別れゆえ三たび手を上げ 去り行きしこいしの君が 面影をしのびて嘆く 波の唄幾度すくえど さらさらと指をくゞりて こぼれ散るはかなき砂の わが運命(